知らないと怖い「睡眠」の常識・非常識 不眠だと「生活習慣病」の発症率が2倍に
夜の快眠のためには、朝の目覚め方にも工夫が必要なのです。その上で、日中の活動量の向上、夜の睡眠環境を整えても、不眠の状態が続くようならば日本睡眠学会(※)の認定医に相談を。中には、「生活習慣病のかかりつけ医に睡眠薬を処方してもらう」という人もいますが、睡眠薬は様々な種類があり、副作用を伴うものもあるため、不眠治療に詳しい医師に処方してもらう方がよいそうです。
「睡眠薬は上手に使用すれば怖くはありません。薬のさじ加減を熟知した医師に相談しましょう」と古賀先生は話します。
また、毎日7~8時間眠っているのに、朝の目覚めが悪い人の中には、就寝中に呼吸が何度も止まる睡眠時無呼吸症候群を抱えている人もいます。睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病を悪化させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高めます。ご家族などに大きな高いびきを指摘されたならば、適切な診断と治療を受けるとよいでしょう。一方で、眠れないことを気に病んで、ますます眠れなくなる精神性理性不眠に陥る人もいます。
「長く続く不眠を自己判断するのは禁物です。1日の3分の1の時間を費やす睡眠は、健康のために重要であることを認識していただきたい」と古賀先生。
さあ、今日から快眠生活を始めて、心身の健康を維持しながら楽しく過しましょう!
意外に怖い「睡眠時無呼吸症候群」とは?
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に舌の根や脂肪で気道が塞がって呼吸が止まり、呼吸を再開するために覚醒することを無意識のうちに繰り返します。特徴は大きないびきの後の無呼吸ですが、自覚はありません。睡眠リズムが乱れて慢性的な睡眠不足に陥るため、1日7~8時間寝ていても昼間に強い眠気を感じます。心筋梗塞や脳卒中のリスクが高く厚生労働省の報告では重症化したときの5年生存率は84%。命に関わることのある怖い病気といえます。
最近急増の「精神性理性不眠症」とは?
不眠解消で「なんとしても眠ろう」と気負い過ぎるのはよくありません。脳が興奮してかえって眠れなくなり、「眠れなかったらどうしよう」との不安が悪循環となり、慢性的な不眠に陥ります。これを精神生理性不眠症といいます。寝る前はリラックスを!
今日からできる!快眠のための生活習慣
●睡眠環境を整えよう
・朝は太陽光、夜は暖色系の照明を。
・寝室は真っ暗よりもほの暗い方が良い。
・寝室では睡眠以外のことはなるべくしない。
・室温26°C、寝具内33°C、湿度50~60%が目安。
毎日、寝る時間と起きる時間をなるべく一定にしましょう。また、寝室を真っ暗にすると、脳のしくみとして興奮しやすくなるので、足元に暖色系のほのかな照明をつけるとよいでしょう。カーテンや壁紙、寝具はパステル調で優しい色に整えると心が落ち着きます。