豪雨で「避難」するタイミングはこう見極める 自分だけは大丈夫という楽観は命取りになる

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また、避難というのは必ずしも避難所に行くことだけを指すわけではありません。たとえば避難勧告が出ていても、夜中や路面が冠水した状態で外に出るのはかえって危険です。その場合は、自宅やビルなどの上の階に避難する「垂直避難」を行ったほうがよいことも頭に入れる必要があります。

それでは、避難するかどうかはどこの情報をみて判断すればよいのでしょうか。

「正常化の偏見」のワナ

まずは、気象庁ホームページの「防災情報」の「危険度分布」というページをブックマークします。そして、台風などで大雨が降りそうになったときにこまめにチェックしてください。このページには、土砂災害、浸水害、洪水の危険度分布が表示されています。危険度に応じて色分けされているので、現在住んでいる場所の状況を把握するのに役立ちます。

気象庁ホームページの「洪水警報の危険度分布」。川ごとに危険度分布が色分けされている。濃い紫が「極めて危険」、薄い紫が「非常に危険」で、氾濫注意水位等を超えていれば避難勧告が出る(出所:気象庁HP)

また、「危険度分布」のタブのひとつに「雨の様子」もあります。そのうちの「雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)」では、1時間前から1時間後までの雨の様子が詳しくわかります。また、「今後の雨(降水短時間予報)」では、「雨雲の動き」ほどの精度ではありませんが、15時間後までの雨の降り方がだいたいわかります。

さらに、気象庁ホームページには、今後警報や注意報が出そうかどうか、いつ頃解除されそうかもひとめでわかるように表示されています。こちらは「気象警報・注意報」というページに表示されていますが、これも避難のタイミングを判断するのに役立ちます。

大雨による被害はある程度防ぐことができます。というのも、地震と違ってあらかじめ予測ができるからです。しかし、人間には「正常化の偏見」と呼ばれる心理があります。これは、「自分だけはなんとかなるだろう」という根拠のない楽観的な思い込みです。これによって、大雨に対する備えがおろそかになってしまうのです。

また、「せっかく避難したのに、何も起こらなかった」となると、なんとなく損をしたように思う人は多いのでは? そして、「危険な目に遭ったけれどなんとか生き残った」というエピソードは武勇伝として語られがちです。しかし、特に誰かを守らないといけない立場の人間は、「安全を考えて念のため避難しておこう」「念のため避難したけれど、何も起こらなくて本当に良かった」と意識改革をする必要があるのではないでしょうか。

今井 明子 気象予報士・サイエンスライター

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いまい あきこ / Akiko Imai

2001年京都大学農学部卒。酒メーカー商品企画部、印刷会社営業職、編集プロダクションを経て、2012年からフリーに。子ども向けや一般向けにわかりやすく科学を解説する書籍や記事を多数執筆。著書に『気象の図鑑』(共著、技術評論社)、『異常気象と温暖化がわかる』(技術評論社)がある。ほか、医療・健康、教育、旅行分野も得意。気象予報士として、お天気教室や防災講座の講師も務める。

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