豪雨で「避難」するタイミングはこう見極める 自分だけは大丈夫という楽観は命取りになる
大雨注意報や大雨警報というのは、その土地の基準値を超えた雨量が降ったときに発表されます。地盤のかたい地域よりも、地盤のゆるい地域のほうが少ない雨量でも警報が発表されます。また、地震などで地盤がゆるくなると、注意報や警報を出す基準が厳しくなって、以前よりも少ない雨量で注意報や警報が発表されるようになります。
2013年からは「特別警報」という、東日本大震災や伊勢湾台風レベルの甚大な被害が予想される気象状況のときに発表される予報も加わりました。ただ、特別警報が加わったことで、相対的に「警報だとまだ安心」と思ってしまうという弊害も指摘されています。しかし、そもそも警報が出た時点で災害が起きる可能性は高いので、非常事態であると認識しなければいけません。
「避難勧告」は個々の事情に合わせたものではない
さらに、雨がやんでも警報が発表されたままのことがあります。これは気象庁が警報解除を忘れているわけではありません。雨が降ってしばらくしてからも、土にはたくさんの水が含まれていますし、河川の水量もすぐには減りません。
警報は本当に警戒しなくてすむようになってから解除されるのです。特に大雨が降ると近所の川や田畑がどうなっているのかが気になって見に行き、そこで命を落とす人がたくさんいます。どうか警報が発表されている間は危ないところには近づかないように気をつけてほしいと思います。
今回は、気象庁と防災科学技術研究所にお話を聞きましたが、取材を通じて実感したのは、「自治体から避難勧告は出るけれど、実際にどのように避難するかは、周囲の状況に目を配りながら個人で判断しなければいけない」ということでした。
というのも、自治体から避難勧告が出ても、その情報は皆さんの家庭の個々の事情に合わせたものではないからです。若い人だけの世帯と、小さな子どもやお年寄り、体の不自由な方がいる世帯とでは避難にかかる時間や手間は違います。当然、避難に時間のかかりそうな家庭は、早めに避難を意識しなければいけません。
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