豪雨で「避難」するタイミングはこう見極める

自分だけは大丈夫という楽観は命取りになる

さて、意外に思うかもしれませんが、もっとも多数の犠牲者を出した広島県は決して総降水量がほかの県よりも多かったわけではありません。もっとも総降水量が多かったのは高知県です。つまり、雨の量と災害の起きやすさは必ずしも一致していないということです。なぜ、広島県の被害が大きかったのでしょうか。

防災科学技術研究所の酒井直樹主任研究員によると、これには3つの理由があるといいます。

1つ目は、地質学的な原因です。四国よりも広島県のほうが雨で崩れやすい土に覆われていて、土砂災害が起きやすかったのです。2つ目は、広島県では平地が少なく、土砂災害の被害を受けやすい場所にも住宅地が開発されていたということです。さらに、大雨特別警報が出るほどの事態だったにもかかわらず、住民の避難行動につながりにくかったことが3つ目の原因です。

平時から災害に対する意識を持っておく

災害のときに適切な行動をとれるかどうかは、災害の頻度も大きくかかわってきます。つまり、災害が頻繁に起きていると、住民の災害への意識が高まり、対応する力が備わってくるのです。しかし、今回の広島県のようにめったに大雨が降らない地域だと、つい油断しがちです。だから、過去に例を見ない大雨が降っても避難行動につながりにくく、犠牲者が多くなってしまう傾向にあるのです。

そう考えると、定期的に避難訓練を行うのはとても有効です。でも、学校を卒業するとなかなか避難訓練をする機会がありませんよね。だからこそ、災害時にどのような行動をするのかを、平時から考えておくことが大切になってきます。

具体的にはどうすればよいのでしょうか。まず、各自治体で発行されているハザードマップに目を通しましょう。自分の住んでいるところや職場がどの程度浸水しやすいのか、土砂災害の危険が高い場所なのかが、ハザードマップを見ればわかります。避難所の場所も表示されているので、いざ雨が降ったときはどのようなルートを通って避難所に行けばよいかをあらかじめ考えておくとよいでしょう。土砂災害は局地的な影響が大きいため、日頃から周囲の危険な場所を知ることが重要です。

また、雨が降りそうなとき、降り出したときは気象庁からの予報にも敏感になっておくことが大切です。気象庁では、雨の程度に応じて注意報、警報、特別警報と予報の種類を変えて発表しています。

また、大雨警報(土砂災害)が発表されている状況で、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となったときは、都道府県と気象庁が共同で、対象となる市町村を特定して「土砂災害警戒情報」を発表します。これは、市町村長の避難勧告や住民の自主避難の判断を支援するための情報です。

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