やりたい企画をスッと通す人の「うまい発想」 上司も「上手にだましてくれ」と思っている

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なので、何かやりたいことがあるのに「これは利益を生まなさそうだから」と尻込みをしているのは、とてももったいないと思います。まずは、損さえしなければ、儲からなくてもいいのです。

上司も「うまく俺をだましてくれ」と思っている

特に大企業の人は、「赤字じゃないならいいよ」とよく言ってくれます。でも、これは「もしも赤字になったら許さないぞ」という意味ではないと僕は受け止めています。

もちろん、赤字にならないようにプランするし、最大限の努力はします。でも、もしかすると赤字になってしまうかもしれません。

もしそうなっても、大企業の人はまず、怒りません。なぜなら、その人は困らないからです。もしも上司に「赤字になったじゃないか」と詰めよられても、そこは「水代が『赤字にはならない』と言ったから」と責任転嫁できます。

上司と部下の関係もそうだと思います。たとえば僕が部下で、金曜昼に地方出張が入ったとします。本当なら、金曜夕方には会社に戻ってこなくてはなりません。でも、せっかくだから土日もその地方で過ごしてみたい。そう思ったとき、どうするか。

僕なら金曜夜にその地方で、自分の仕事と関係しそうなイベントを無理矢理にでも探し出して、「金曜夜にリサーチしたい店やイベントがあるので、金曜は戻ってこなくていいですか」と上司に相談します。

これは「うそ」ではありません。言っていないことがあるだけです。

上司も、「金曜夜だけでなく、土曜も、もしかすると日曜もその地方で過ごすつもりだな」と察するはずです。でもきっと、それをダメとは言わないでしょう。上司はそれが悪いことでなければ、案外とだまされてくれて、黙認してくれるものです。むしろ「だますなら、うまくだましてくれよ」と思っているはずなのです。

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もし上司がだまされてくれたら、ありがたく金曜はノーリターン。もちろんその日の夜は報告通りにイベントに出てリサーチし、その夜と翌日の宿泊費は自腹を切って日曜に帰宅して、月曜に出社したら、上司にイベントのことをしつこいくらいに報告します。

僕たちのような小さな組織にとっての大企業は、かつての僕にとっての上司です。小さいから、若いから、やりたいことはやってみなさいという目線で見てもらえます。

それは、大企業や上司の好意でもあります。だから、こちらとしては、「好意」には「報告」という感謝で応えます。

報告もせず、それ以前の相談もしないのは、好意を無にする行為。「そんな話、聞いてない」と言わせてしまうのは最悪だと思います。全力で、うまくだましてあげましょう。「うまくだましやがって」と笑いながら言ってもらえるようになれば、最高です。

水代 優 good mornings代表取締役

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みずしろ ゆう / Yu Mizushiro

2002年より株式会社IDEEにて新規出店を手掛ける。2012年にgood mornings株式会社を設立。東京・丸の内や日本橋をはじめ、全国各地で「場づくり」を行い、地域の課題解決や付加価値を高めるプロジェクトを数多く手掛ける。「食」や「カルチャー」を軸にしたクリエイティブな空間の企画運営やメディア制作を得意とし、さまざまなコンテンツを織り交ぜ街に賑わいをつくり、地域コミュニティの拠点を創出している。

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