やりたい企画をスッと通す人の「うまい発想」

上司も「上手にだましてくれ」と思っている

こんなふうに、大局的(僕らが地域に根ざした活動をしていて、その応援をしたい)で、彼らにとっても“自社へのお土産”になるような情報をアピールできるなら、なおさらうまくいく可能性は高くなります。

「赤字じゃなければOK 」と考えてくれる人は多い

この方法は、社内で組むべき部署を探すときにも使えます。

どこにどんな人がいるのか、どこにどんな部署があるのかが社員名簿や組織図を見てもぴんとこないときには、それをよく知っている人の知恵を借りるといいのですが、そのお願いのときも、目先の話だけでなく、大局的な話もきちんとします。すると、新規事業なら新規事業、販売推進なら販売推進の部門の人を紹介してもらえることが多いはずです。

そして、具体的な話は、紹介してもらった部門の人と進めます。もし、うまくまとまらなくてもケンカは厳禁です。大きな会社の場合は異動があるので、部門が変われば立場も変わって、ノーと言っていた案件にイエスと言うようになることもあるし、その逆もあります。相手の都合を尊重し、引くべきところでは友好的に引きます。

立場・役職や、部署によって、見ているものは違うものです。

直属の上司からは反対ばかりされてきた新規プロジェクトが、社長直轄プロジェクトとして始まるというケースも、会社ではまま、ありますよね。これは、上司は自分の部署の目先の数字ばかりを気にするけれど、社長はもっと先を見ているからです。上司は少しでも黒字を――と考えるのに対し、社長は赤字にならずに将来の事業のタネが見つかればいいと考えているのです。

「目先の利益」「目先の売り上げ」にフォーカスしないことで、拡がるビジネスもあるということでもあります。

僕が経験したエピソードを1つ紹介すると、かつて三菱地所から委託を受けて丸の内でイベントを企画し、運営していたことがあります。そのとき三菱地所との契約では“年間48本のイベント”ということになっていました。その48本分のイベントに関しては、企画料がもらえるというビジネスでした。

ただ、そのとき僕は、もっと多くのイベントをやりたいと思っていました。やれると思っていたし、やれば実績になるとも思っていました。

そのとき「48本じゃなくて、倍の96本にしてください。予算も倍です」と言うこともできたと思いますが、三菱地所にも都合があると思うので、「最初に約束した48本ほどにはならないけれど、儲かるようにはできるので、もっとイベントをやりたい」と申し出ました。すると「赤字にならないで、みんな楽しんでいるんだったらいいよね」という結論になったのです。

このときにつくづく、赤字じゃなければいい、しかもそのイベントが「いいこと」で「みんなに喜んでもらえること」ならGO、と考える企業人は多いんだなと感じました。

結局、イベントは年間で110本やりました。すると、楽しかったし、喜んでもらえたし、48本では出会えなかったはずの人と出会えてネットワークが広がったし、48本という契約だったのに110本もやったという話は関係者の間に広まって、新しい仕事の話も舞い込んできました。

それができたのは、赤字にはしなかったからだと思っています。

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