日大報告書を格付け委員会が酷評した理由 格付けした委員8人のうち7人が「D」評価

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第三者委の調査報告書に疑問を投げかけた久保利弁護士(中央)と、国廣正弁護士(筆者撮影)

第三者委員会報告格付け委員会(久保利英明弁護士)は8月2日、日本大学アメリカンフットボール部における反則行為に関する第三者委員会が公表した調査報告書について、格付け結果を公表した。

その結果は、格付けした委員8人(久保利弁護士、国廣正弁護士、齊藤誠弁護士、竹内朗弁護士、ジャーナリストの塚原政秀氏、行方洋一弁護士、八田進二・青山学院大学名誉教授、科学ジャーナリストの松永和紀氏)のうち7人が不合格のF評価に最も近いD評価という厳しいもの。いったい日大の第三者委員会報告は何が問題なのだろうか。

歪んだ組織構造がいかに作られたかの調査が不十分

格付け委員会が日大アメフットボール部の調査報告書を大きくマイナス評価とした理由は2つある。1つは、日大のガバナンス体制や組織構造がいかに作られたかの調査が不十分なこと、2点めは、田中英壽理事長への聞き取り調査が行われたかどうか、行われたとすればどのような回答が得られたかの重要な情報が欠如していることだ。

これまでの格付け委員会による評価。「F」がないだけでも、日大の報告書はマシなのかもしれない(第三者委員会報告書格付け委員会のホームページより)

また、再発防止に向けた提言が実行性に乏しいことも評価を落とした理由。ただし、過去には委員全員が「F」と評価した報告書もあるため、最悪なわけではない。

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