日本建築は今も木造の伝統を受け継いでいる

ヨーロッパの「石造」建築とは対照的だ

世界が注目する日本建築の「遺伝子」とは?(写真:Koichi Tanoue)
「建築の日本展」には「その遺伝子のもたらすもの」というサブタイトルがある。では日本建築の遺伝子とはどんなものなのか? この展覧会の監修を務めた建築史家であり、自身も建築を設計している藤森照信に聞いた。

日本の建築家なら木造建築がその基礎感覚になっている

――「日本建築の遺伝子」はどんなところに受け継がれているのでしょうか。

当記事は「HILLS LIFE DAILY」(運営:コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

どんなに先鋭的な建築家でも多かれ少なかれ、生まれ育った場所の文化や風土に影響を受けるものです。日本の建築家なら21世紀になった今でも木造建築がその基礎感覚になっている。ヨーロッパ、とくにイタリアが石の本質をとらえて石造建築の技術を発展させてきたのとは対照的です。世界の建築はこの木と石をおさえていれば理解できます。

隈研吾建築都市設計事務所 《梼原・木橋ミュージアム》 2010年 高知(写真:太田拓実)

木造の特徴は柱と梁でできる立体格子の枠組みを基本にしていること。ジャングルジムのような造りですね。石造りなら石の壁が建物を支えますが、木造では柱と柱の間は紙(障子)になる。雨が多くて木がよく育つ日本ならではの作り方です。そのかわり木は腐りやすいので雨を防ぐため屋根が大きく、軒が深くなります。この屋根に重きを置くのも日本建築の特徴です。

次ページ丹下健三の工夫
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT