西武が建築家に「斬新デザイン」を頼むワケ 妹島和世や隈研吾、車両の内外装に続々登場
「斬新すぎる」「まるで光学迷彩のよう」…。3月14日に西武鉄道が2018年度の導入を発表した新型特急は、周囲の風景を映し出す銀色の流線型ボディという、これまでの電車には見られない近未来的なデザインで世間の話題をさらった。
西武が新型の特急電車を導入するのは、1993年に登場した現行の「ニューレッドアロー」10000系以来25年ぶり。デザインを手がけるのは「建築界のノーベル賞」といわれるという「プリツカー賞」を受賞した建築家、妹島(せじま)和世氏だ。
同社が車両デザインに建築家を起用するにはこれが初めてではない。4月から運行を開始する、車内で食事が楽しめる観光電車「西武 旅するレストラン 52席の至福」は、建築家の隈研吾氏が内外装のデザインを担当した。
100周年の集大成に
ここに来て西武が積極的な展開を見せている理由の一つは、同社にとってこの数年が、歴史的な節目の続く「アニバーサリーイヤー」だったからだ。西武鉄道は2012年に創立100周年を迎え、14年には新宿線の国分寺~東村山間が120周年、15年には池袋線が100周年という節目の年が続いた。さらに言えば、16年は西武が新体制に生まれ変わってからちょうど10年でもある。
レストラン電車と新型特急は、100周年アニバーサリーの集大成であるとともに、今後の新たな100年に向けた西武のフラッグシップ・トレインという位置づけだ。そこに起用されたのが、2人の有名建築家だ。
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