「武豊とオジュウ」が福島競馬場に残した軌跡 豪華共演で見せた圧勝劇は次の100年の布石

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東京競馬場で父秀征さんと一緒にキズナのダービーを見て騎手になりたいと思った雄真君にとって、武豊騎手はあこがれの存在であり目標でもある。秀征さんとワクワクしながらこの日を待ちわびていた。

「未来のジョッキー」である加藤君も歴史の目撃者になった(写真:筆者提供)

雄真君は「絶対に勝ってくれると思っていた。スタートでいい位置に付けたし4コーナーで先頭に立った時に勝ったと思った。こういうところでちゃんと決めるのがさすがユタカさんだと思った。すごくかっこよかった」と振り返る。

「まわりの声援がすごかった。自分もあんな騎手になりたいという思いが一層強くなった」という。「この日の武豊騎手とオジュウチョウサンを見たことはずっと自慢できる」と笑顔を見せた。スーパーコンビのパフォーマンスは未来のジョッキーも魅了した。

年末の有馬記念に向けて調整を進める

オジュウチョウサンは今後、12月23日に中山競馬場で行われるGⅠ有馬記念(2500m芝)を目標に調整される。管理する和田正一郎調教師は「オーナーの希望が強いので有馬記念出走が目標になる。まだ500万下に出られるしステップレースを使うかどうかも含めてじっくりと考えたい」と表明した。

ファン投票で選ばれるのは確実だろう。ひょっとすると1位になるかもしれない。はたして再び武豊騎手が騎乗するのか。ステップを使うのか、ぶっつけ本番で向かうのか。障害の絶対王者は新たにチャレンジャーとなった。オジュウチョウサンの今後の動向は今年の競馬界で最大の注目を集める。

福島競馬場の開設100周年を迎えた節目にオジュウチョウサンと武豊騎手のコンビがすばらしいドラマを見せてくれた。

あの夏の暑い日、ツインターボが逃げ切ったあの1993年の七夕賞のように、次の100年へ向けて新しい歴史を刻んだレースだった。今夏の開成山特別はあのファンの熱狂とともに後世に語り継がれる。

高橋 利明 福島民報 記者

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たかはし としあき / Toshiaki Takahashi

1965年生まれ。子どもの頃から地元の福島競馬場に通う。1989年に成蹊大学卒業。入社2年目の1990年に念願の福島民報社競馬担当記者へ。1993年から本紙予想を担当。福島テレビ、ラジオ福島の競馬中継にも出演。永遠のアイドルホースはハイセイコー。競馬の現場記者であり続けることが目標。
 

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