「老人」という言葉を使うと差別にあたるのか

最近は高齢者という言葉のほうが多くなった

シニア、高齢者、熟年などさまざまな呼び方があります。写真はアクティブシニアの方のイメージです(写真:pearlinheart / PIXTA)

エッセイ程度のものから論文まで仕事柄ものを書くことが多い。以前、「老人」という言葉を原稿の中で使ったら、使わないほうがいいとある人に言われ、少々戸惑ったことがある。

老人は差別用語だと言われたのだが、そうなのだろうか?

たしかに、最近では「老人」よりも「高齢者」という言葉が使われることが多い。複数の辞書で老人をさがせば、「年をとった人。年寄り」という説明が並ぶ。たしかに、同じ意味を指す言葉として「年寄り・お年寄り」といった言葉はよく使われ、”お年寄りを大切に”という表現を多く見かける。

とはいえ、法律に「老人福祉法」(1963年)があるし、「○○老人ホーム」という名の施設は至るところある。複合語の場合は老人という言葉を多く使っている。

毎年9月の第3月曜日は国民の祝日のひとつである「敬老の日」だ。内閣府のHPにある「国民の祝日」紹介ページでも、「敬老の日」を「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」とし、「老人」を使って説明している。

老人が持つ意味はそんなにネガティブではない

こうしたことから、老人という言葉を使っても何も問題がないように感じる。中国ではどんなに年が若くても、先生のことも「老師」(ラオシー)と呼ぶ。「老」という字には本来、単に、年をとった人という意味ではなく、人生の先達、知恵者といった尊敬のニュアンスがあるからだ。

2017年7月に享年105歳で亡くなった聖路加国際大学名誉理事長の日野原重明氏は、生前、「新老人」という言葉を提唱した。

2000年9月には「新老人運動」という老人の新しい生き方に対する行動を立ち上げ、「新老人の会」を発足させた。生前の日野原氏の活動とあわせて見聞きした読者の方々も多いのではないだろうか?

新老人の会の本部事務局HPによれば新老人運動とは”世界で一番早く長寿国となった日本の高齢者が世界のモデルとなるべく健やかで生き甲斐を感じられる生き方をしていただくための具体的な提案活動”という。

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