学校は死刑台"それせか"が歌う子どもの世界 悪ノリに見せかけて殴られ、前歯を折られ…

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もうひとつ、音楽を通して、いじめをしている奴らや「いじめられている側にも責任がある」と思ってるような奴らに「ふざけるな」って伝えたい、という思いもあるんです。

やっぱり、僕はいじめが起きたり、それで苦しんでる人がたくさんいるっていうことがくやしいんですよ。いまだに、小学1年のときに女の子がバカにされていたことに納得がいってないんです。そうしたくやしさが僕の原動力になっています。

よく「みんなちがってみんないい」とか言うけど、よくないですよ。殴られて、前歯を折られて、それでも「みんないい」なんて思えないじゃないですか。せっぱつまってない奴、苦しいところに立っていない奴の言葉はあてにならない。

僕は本当に苦しかったとき、何も言葉にすることができなかった。でも今なら音楽を通して、「オレはイヤだったぞ」と伝えることができる。だから音楽を続けていられるんだと思います。

とりあえず会って話そうよ

――読者にメッセージをお願いします。

親御さんは、とりあえずギターを買ってあげてください(笑)。家でもどこでも手軽に弾けますからね。あとは「学校へ行け」と言わないでほしいです。小中学生のころの僕にとって、学校という場所は「死刑台」だったんですよ。あそこに行くと自分が死んでしまうんです。もし子どもが「学校へ行きたくない」と言ったら、親御さんには学校から子どもを守ってあげてほしいです。

それから、僕がきついときにほしかったのは上からのアドバイスではなく、隣りに座って、対等に話してくれる仲間でした。だから自分の意見を押しつけるようなことはしないでほしいです。なぜなら、みんな初心者だと思うからです。子どもは人生で初めての中学生。でも親も、人生で初めての「中学生の親」です。みんな未経験者だから、謙虚になって「自分の考え方はまちがっているかもしれない」と思ったほうがいいんじゃないでしょうか。

最後に、この記事を読んでくれている若い人には……そうだな、「僕は君と話したいよ」と伝えたいです。きっと読者にもかつての僕のような思いをしている人がたくさんいると思うんです。だから「とりあえず会おうよ、会って話そうよ」と言いたいです。

――ありがとうございました。

(聞き手・水口真衣、編集・茂手木涼岳)

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