学校は死刑台"それせか"が歌う子どもの世界

悪ノリに見せかけて殴られ、前歯を折られ…

楽曲はメンバーの実体験をもとにしているという(写真:不登校新聞)
今、10代・20代に熱く支持されるバンド「それでも世界が続くなら」。今年9月2日のライブ公演のチケットが開始5分で売り切れたこのバンドは、不登校、いじめ、虐待などをテーマにした曲を発信し続けている。楽曲の作詞作曲を手掛ける篠塚将行さんにお話をうかがった。

どう感じたかは受けた側が決めていい

――バンド「それでも世界が続くなら」の楽曲はメンバーの実体験をもとにしているとうかがいました。篠塚さんもいじめや不登校を経験されたのですか?

当記事は不登校新聞の提供記事です

小学1年生のときに、ある女の子が「○○菌」と言われて、めちゃくちゃからかわれていました。僕はその女の子と仲がよかったので、からかっている連中をとめたんです。そうしたら今度は僕がターゲットになりました。いじめている連中にとっては、かばったことで僕までもが「菌化」したということなのでしょう。

初めて殴られたときに、殴り返せばよかったのかもしれません。だけど、僕は「耐える」という選択をしてしまったんです。そうすると、まわりからすれば「こいつ殴っても痛がらないぞ」となって、どんどんエスカレートしていきました。これは大人の世界にもあることだと思いますが、言い返せない人は「何をされてもいい人」というキャラになってしまい、サンドバックのようになっていくんです。

小学校を卒業しても、同級生が同じ中学に入学したので、いじめは中学卒業まで続きました。

今思えば、彼らは「上手」でしたね。誰からもわかるような場所で激しく殴る蹴る、ということはしないんです。あくまで「俺たちは友だち」という体裁で、その枠のなかで徹底的におとしめる。だから外部の人からはちょっと過激な「いじり」や「悪ノリ」に見えたと思います。たとえば、いじめている奴らは僕を遊びにも誘ってくるんです。外部からは「いっしょに遊んでるんだ」と思われる。だけど当然、僕に行かないという選択肢はありません。ものすごくイヤだけど、それでも行くしかないんです。

自分自身、いまだにあれを「いじめ」とはっきり断定できないんです。あれは「いじめ」なのか「いじり」なのか、あいつらは友だちだったのかどうか、わからなくなるときがある。とはいえ、どう感じたかは受けた側が決めていいことです。悩まずに「イヤだった」という気持ちを大事にしていいんだ、と若い人には言いたいです。

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