過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」

直島が現代アートの聖地になった軌跡とは?

今では年間約70万人もの観光客が押し寄せる直島は、いかに現代アートの聖地になったのか(写真:AlexStoen/iStock、オブジェ:草間弥生「南瓜」1994製作)

秋元雄史氏の『直島誕生』は、現代アートに関わる全ての人々にとって必読の書である。

直島を舞台に、日本における現代アートがどう生まれ、どう育ってきたのか、そしてそれは世界のアートとどう繋がっているのか。その全貌が、直島プロジェクトの始まりから地中美術館の立ち上がりまで、15年間もの長きにわたってこのプロジェクトを率いてきた秋元氏自身の言葉によって語られている。

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直島(なおしま)は、瀬戸内海に浮かぶ人口3000人ほどの小さな島である。以前は銅精錬所と煙害で有名だったこの島は、現代アートの島として生まれ変わり、今では年間約70万人もの観光客が押し寄せている。

現代アートファンの多い欧米の富裕層相手の旅行会社の多くは、日本旅行の訪問先として京都とセットで直島を選んでおり、場合によっては、日本旅行の目玉が直島そのものということもある。

このアートプロジェクトを中心になって推進するベネッセと福武財団は、瀬戸内海の直島、豊島、犬島において、「ベネッセアートサイト直島」の名の下に、ベネッセハウスや家プロジェクトなど多くの現代アートプロジェクトを展開している。

地中美術館誕生の物語

そして、本書の中心にあるのが、この直島プロジェクトの中核に位置する地中美術館誕生の物語である。

地中美術館の設計は安藤忠雄建築研究所で、直島南部の山の上にある棚田状の立体式塩田跡の地下に埋設されるような形で建っている。

後に秋元氏が館長を務めることになる金沢の21世紀現代美術館、六本木ヒルズの森美術館と並ぶ、日本の現代アートを代表する三大美術館のひとつであり、日本の現代アート発祥の地とも呼べる存在である。

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