「シックスパッド」のMTGが描く1兆円企業構想 マザーズではメルカリに次ぐ時価総額に
PCは5人のチームもいれば、50人のチームもいる。自分で新規事業を立ち上げるために、PCをつくることも可能だ。ただし、この場合は3カ月に1度あるプレゼン大会で発表し、承認されなければいけない。プレゼン大会は社長や役員のほか、監査法人や弁護士など外部の人材も参加。内外からさまざまな質問を受けることで、経営の実践も学べる仕組みだ。
「現場じゃないとわからない知恵もある。私があまり細かく経費について言わなくてもすでに仕組みが出来上がっているから、みんな努力してわが事のようにやっていく」(松下社長)。PCは日本のみではなく、中国やアメリカなど海外でも同じように組織立てて展開している。
医療分野への参入も視野
“経営の見える化”はこれだけではない。MTGでは3カ月に1回、国内外の全社員が参加する方針発表会を開催している。3カ月間を1年間の決算とみなして、各部門の実績や課題を全員で共有。松下社長は「よく日本の会社は経営スピードが遅いといわれる。ベンチャー出身の強みは、トップと社員との距離の近さや決断の速さにある。そういう考え方で方針発表会を今までずっとやってきた」と口にする。
満を持して今回上場したMTGだが前2017年9月期のブランド別売上高をみると、リファが全体の約6割、シックスパッドが約2割を占める。そのほかの複数ブランドを合わせても、2割程度にすぎない。MTGが成長していくにはリファやシックスパッドだけに頼らない、新たな柱が必要となる。
そのカギとなるのが、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を活用した製品群の開発だ。直近では深い眠りや快適な目覚めをサポートするマットレスの販売を準備中だ。
さらに、将来的には医療分野への参入も狙う。現在シックスパッドは健常者の使用が多いが、なかには運動したくても寝たきりで生活できない人もいる。すでに、複数の大学病院と臨床実験などをすすめ、医療機器や医薬品の開発を進めている。MTGは今回の上場を弾みに、さらなる高みを目指せるか。
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