ホンダ「ジェイド」大改良に隠れた苦渋の決断

負の印象を抱えたまま進化させられなかった

パワートレインは従来モデルではRSには1.5L直噴VTECターボ+CVTのみの設定だったが、新型は1.5L-NA+1モーター内装7速DCTのスポーツハイブリッドi-DCDも選択可能になった。どちらのユニットもハードの大きな変更はないが、ガソリンはCVT制御変更による伸びのある加速、ハイブリッドはギアレシオ変更と制御系のリファインによるレスポンスのいい走りを実現している。

実際に走らせると絶対的な動力性能は1.5L直噴VTECターボだよね……と思いながらも、スポーツハイブリッドi-DCDはダイレクト感や小気味よさがより際立つように進化している。

背の低いスタイルが特徴(編集部撮影)

ただ、どちらのパワートレインも決定打に欠けるのも事実だが、個人的には新型RSのキャラクターを考えると今回はスポーツハイブリッドi-DCDほうがお勧めだ。余談だが、仮に1.5L直噴VTECターボに中国向けアキュラCDXと同じ8速DCTと組み合わせが存在したら? 評価はガラッと変わるだろうと感じた。 

フットワークは?

フットワークは225/45R18サイズのタイヤ(ダンロップSPスポーツMAXX)に合わせてサスペンションと電動パワステはRS専用にセットアップ。もちろん、走りの良さだけでなく快適性にもこだわっており、RSにも凹凸乗り越え時に響く音(気柱共鳴音)を消す効果のあるノイズリデューシングホイールが採用されている。

その走りは初期応答性重視から自然になったステアフィール、よりしなやかさなのに無駄な動きを抑えたサスペンションと18インチタイヤの組み合わせ、そして3列シートを廃したことによる約60kgの軽量化も相まって、従来モデル(17インチ仕様)よりもハンドリングの一体感はもちろん、正確性/安心感もレベルアップしている。

走りの質感の高さは車格の近いホンダのミニバン「ストリーム」(現在は絶版)の比ではない(編集部撮影)

最近は全高が高くても「背の高さを感じさせない走り」のモデルも多いが、それらはロールスピードを上手にコントロールできているからそう感じるだけで、実際のロール量は多い。対して、ジェイドは低全高/低重心という素性の良さから、サスペンションを無理に引き締めなくても、走りと快適性のバランスが整えやすい。つまり、どんなに技術が発達しても“物理の法則”を覆すことはできない……というわけだ。

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