ホンダ「ジェイド」大改良に隠れた苦渋の決断 負の印象を抱えたまま進化させられなかった

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エクステリアはワイド&ローを際立たせるためにフロント回りを中心に変更、ハニカムメッシュグリルやLEDライト、18インチアルミホイールなどによりスポーティさを強調した。また、訴求色となるRS専用色・プレミアムクリスタルオレンジ・メタリックは新色だが、販売台数が少ないモデルでマイナーチェンジの新色追加はホンダとしては異例だそうだ。さらにスポーティさをより際立たせるブラックルーフも設定される。

印象的なプレミアムクリスタルオレンジ・メタリック(写真:Honda Media Website)

RS=オレンジの組み合わせはコンパクトカー「フィット」や軽自動車「N-ONE」でも採用済みのため、ややベタな感じがするものの、プロポーションはスポーティなのになぜか上質感さやプレミアム感を強調していた従来モデルよりクルマのキャラクターは明確になったといえるだろう。特に従来モデルがまったく認知されていない一般ユーザーにはニューモデルに見えるかもしれないと思うほどだ。

インテリア(写真:Honda Media Website)

インテリアはエクステリアと比べると小変更にとどまるものの、ブラック&オレンジカラーステッチやカーボン調パネル、RS専用のフロントシートなどの採用により、エクステリア同様にスポーティさをより引き上げている。

モデル途中でのコンセプトチェンジの苦しさ

注目の2列目だが開発陣は「ジェイドの特等席」と語っており、フラッグシップのレジェンドを超える足元スペースの広さに加え、レジェンドより厚みのあるシートクッションの使用や大型アームレスト、反転テーブル/カップホルダー/収納ポケットなどの採用により、使えそうで使えなかった3列シート仕様の2列目キャプテンシートよりもゆったりくつろげる空間に仕上がっている。

5人乗りは2列目シートが3人掛け(写真:Honda Media Website)

ただ、残念なのはリクライニング機構が付いていないことと、2列目を収納した際にラゲッジに段差ができてしまうことだ。開発陣は「とにかくリアシートは座り心地を優先させた」と語るが、特等席と言うならば乗員の好みに合わせた調整ができるようにしてほしいし、ステーションワゴンと呼ぶからには利便性/機能性も気になるところである。この辺りはモデル途中でのコンセプトチェンジの苦しさでもある。

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