中学受験の本質を知らない親に教えたい心得

「今だけ頑張ればいいから」はNGワード

だが、中学受験をさせる目的がそれだけなら危険だ。レベルの高い私立中高一貫校に入れば、レベルの高い子ども達に囲まれて、レベルの高い授業が受けられる。

でも、そこで力を発揮するためには、さらに努力をする必要がある。それができる子ども達が多く集まるからこそ、「難関校」は結果的に難関大学への進学率も高くなるわけであって、そうした土台をつくるものとして中学受験があるのだ。

レベルの高い中学に進むことの目的とは、さらに高度で意味のある勉強をして知識を身に付けること、受験勉強の過程で学習の仕方を学ぶこと、そして人間として成長するためであり、「いい大学へ入るため」ではない。中学・高校、そして大学を通じてしっかりとした知識や思考法を身に付けて、社会に出してあげるためだ。レベルの高い学習ができる環境で身に付けた知識や考え方は、子どもの可能性を大きく広げてくれる。だから、小学生の子どもに受験勉強をさせるのは、決して「かわいそう」なことではない。そして、正しく勉強すれば、努力の先にある喜びを得ることができる。

中学受験のメリットとデメリット

受験勉強は、目標に向かって努力をする、計画を立てて実践していく、難問に粘り強く挑戦する、自分の気持ちをコントロールするなど、様々な経験をすることができる。勉強自体は志望校に合格するためだが、たとえ合格できなくても、実社会に出てから必要なもの、どんな仕事に就いても必ず役に立つものがたくさん詰まっている。受験にせよ仕事にせよ、目的を叶えるために今何が必要なのかを考えて努力できる人間になる。これが一番大事なことではないだろうか。

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こうした経験を小学校4年から6年の3年間経験することは、子どもの人生にとって大きな糧になるだろう。また、それをサポートする親も一緒に成長することができる。父親、母親、そして子どもが「3人4脚」で中学受験に臨むことができれば、それは非常に強い家族の絆をつくることにもなる。

しかし、それは「正しい方法」で挑戦した場合に言えることだ。勉強のやり方や親の言い方が間違っていたら、ときには子どもを押しつぶしてしまうこともあるし、親子関係や夫婦関係が険悪になってしまう可能性もある。また志望校に合格できなかった時、子どもに不必要な挫折感だけを残すことにもなる。中学受験にはその両面があることを知ってほしい。

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