日本代表への「手のひら返し」に映る真の衆愚

感情に任せる過剰バッシングが生まれたワケ

本田選手は初戦終了後の6月22日、「人の悪いところを粗探しして優越感にひたろうとしている人。悪口を言い合える仲間を見つけて安心する人。気持ちは分かるし、僕は味方ですからね。僕も才能がなく祖父母からも『お前なんかがプロになれるか!』と言われて、コンプレックスだらけだったので。ありがとう!これからも宜しくです!」とツイートしました。

その真意が、「まるで犯罪者のように個人をたたき、誰かの受け売りのような批判を上書きし合う風潮」に対するものであることは明らかです。また、本田選手は、「これはサッカーに限らず、ほかのスポーツ、芸能、カルチャー、政治、ビジネスまで、あらゆる分野に該当すること」と言いたいのでしょう。「いいね」や「そう思う」の数を見て、「みんなが言っているからそうだ」「この流れに乗り遅れないように」と批判に加担してしまうことはないか……。

過剰な批判に加担しない抑止力を

賢明なビジネスパーソンの皆さんには、今回の件を手のひら返しで終わらせるのではなく、「まだ結果が出ていないのに、なぜあれほど批判がヒートアップしたのか?」「1勝しただけで、なぜガラッと一変したのか?」、今回の顛末と批判の構造を知ることで、過剰な批判に加わらない抑止力につなげてほしいのです。

特にスポーツ選手や芸能人は、無責任な批判を言ってしまいがちな存在。それだけに批判しそうになったときは、「批判しすぎていないか?」「そもそも批判すべき人なのか?」「人格まで批判していないか?」などと自問したいところです。

「パワハラの話題になると強烈に批判する」という人が多数派を占める世の中になりました。しかし、一方ではアスリートや芸能人に対して、パワハラに似た批判をしてしまう人が少なくありません。特に今回の日本代表に対する批判は、一般の人々とメディアが手を組んだ“集団パワハラ”の図式に近いものがありました。

「『スポーツだから』『サッカーはそういうもの』『海外よりはマシ』という主観で片付けていいのか?」「普段のパワハラ批判と矛盾はないのか?」、やはり自問が必要でしょうし、少なくとも批判の流れに加わらないのが得策。どんな大義名分があったとしても、批判に加担してしまったら、「自分は絶対にやらない」と思っていてもパワハラをしてしまう人のメンタリティと変わらないのです。

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