日本代表への「手のひら返し」に映る真の衆愚

感情に任せる過剰バッシングが生まれたワケ

ところが、その後の日本代表の活躍は、ご存じのとおり。グループリーグを1勝1敗1分で突破し、決勝トーナメント1回戦ではサッカー王国・ブラジルを破り準決勝に進出したFIFAランク3位のベルギーを、あと一歩のところまで追い詰める熱戦を見せてくれました。

あらためて、その間の様子を振り返ると……6月19日のコロンビア戦に勝利すると、世間の空気がガラッと変わり、25日のセネガル戦で本田選手がゴールを決めると、多くの人々がもろ手を挙げて称賛。「バッシングなんてなかった」ような手のひら返しで、個人のツイートも各メディアも、大フィーバー状態になりました。

実際の感情を超える批判の言葉

多くの人は、そこで初めて「『ごめん』と言っておいたほうがよさそう」「もともとそんなに批判したわけじゃなかったし」などの気持ちを実感。実際の感情以上に、批判の言葉が強くなっていたことに気づいたのです。

その後、戦いを終えた長友選手は「いっぱい批判されたし、おっさんおっさん言われて、だいぶ胸縮こまったから、帰国時は張り裂けるくらい胸張って帰ります。日本代表チームをどうか温かく迎えてください」とツイート。

一方、本田選手は帰国直後に、「いいときも悪いときもたくさんありましたけど、どういったときでもずっと応援してくれていた声は届いていましたし、それがあったから逆に勇気をもらえて頑張れましたし、非常にかけがえのないサポーターと一緒にここまでやってこられたこと、感謝と誇りの気持ちでいっぱいです」と謝意を表しました。

彼らのすがすがしい表情を見た個人とメディアは、さらに「ごめん」「ありがとう」という手のひら返しの言葉を連発。ただ、当人たちは「批判を力に変えた」と言っているものの、その言葉の裏にある苦しさを感じた人は少なくなかったでしょう。もしあなたが賢明なビジネスパーソンなら、自分に置き換えて「彼らは批判がなければ力を発揮できないレベルの選手なのだろうか」と感じたのではないでしょうか。

問題は、なぜここまで批判が大きくなり、無責任な手のひら返しをしてしまったのか? ここに「結果オーライ」で終わらせてはいけない由々しき現象が見られるのです。

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