「休日何もできない」人は、うつの入口にいる 発達障害の僕がお勧めする「リラックス法」

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10日ほど完全に何もしない日が過ぎて、僕は「回復した」という感覚を手に入れることができました。「暇だ」という気持ちが湧いてきたからです。

うつ状態というのは、悪い意味で退屈しません。何もできていないのに、時間が矢のように過ぎ去っていきます。「コテージ近くの屋台のご飯も飽きてきたな。何か目先の違う食べ物はどこで食べられるのかな」とスマホで検索を始めたとき、僕は自分が「休み終えた」ことを知りました。後の時間は、適当に買った釣竿で釣りをして過ごしました。カラフルな小魚がたくさん釣れました。

これはちょっとしたコツですが、「最後に退屈したのはいつだろう?」と考えてみてください。「退屈」というのはエネルギーが余っている状態です。うつ状態の人にはまず生じない状態と言えるでしょう。これが思い出せないなら、あなたには休息が必要です。

ビジネスホテルでひたすらダラダラする

この「外こもり」は、うつ状態からの回復に非常に高い効果があると僕は思っています。しかし、僕はタイに行き慣れているので何とかチケットを取って成田空港に向かうことができましたが、実際うつ状態にある人がこれをやるのは結構難しいかもしれません。

そこでおすすめしたいのが「ビジネスホテル外こもり」です。あなたの知らない町の知らないホテル、できれば海とか山とかあなたの癒やされる風景が眺められる町がいいですね。そこに連泊予約をして、後はひたすらダラダラしてください。

サラリーマンの方でも、気合いを入れれば5日くらいの「外こもり」は不可能ではないでしょう。「貴重な休みをそんなことに……」と感じるかもしれませんが、うつ状態に入りかけているなら、あなたの「貴重な休み」は家で焦燥感に焼かれ続けることに費やされる可能性がとても高いです。

『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ビジネスホテルにいれば、食事は適当に済ませることができます。ランドリーサービスもあればルームサービスもあるでしょう。あなたをひたすらに休ませる環境を手に入れることができます。そして、あなたは「自分は今、休息しているのだ」という実感を手に入れることができます。

特にシーズンオフであれば、ビジネスホテルは連泊するととても安いです。民宿みたいな、人と接する機会の多い場所はおすすめしません。あなたに必要なのは、清潔なシーツと整然としたお部屋。そして、誰にも干渉されない時間です。

「旅行でリフレッシュ」というと、つい人は観光スケジュールを目いっぱい詰め込んだりして「充実したもの」を目指してしまう悪癖があります。しかし、実はそんなことはしなくていいのです。うつ状態でそんなことをしようとしたら悪化するに決まっています。まずは「退屈」を取り戻すことがうつ状態から回復する重大なキーなのです。

最初は、部屋でひたすら眠り続けることになるかもしれません。でも、次第に「ちょっと周囲を散歩してみるか」とか「ちょっとおいしい食事を摂りたい」とか、「大浴場に浸かりたいな」とか感じると思います。それは、あなたが退屈し始めた証で、回復の証左です。

借金玉 発達障害サラリーマン

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しゃっきんだま

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者。幼少期から社会適応ができず、紆余曲折を経て早稲田大学を卒業後、金融機関に就職。まったく仕事ができず逃走した後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも大失敗し、それから1年かけて「うつの底」を脱出。現在は営業マンとして働く。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』。
ブログ 「発達障害就労日誌」
ツイッター @syakkin_dama

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