まず、「合流」。高速道路には交差点や信号はないが、インターチェンジやジャンクションでは車が合流するために、交通量が多いときには合流点で渋滞が起こる。東名の上り線では、厚木ICで小田原厚木道路が合流し、その直後の海老名JCTで圏央道が合流する。さらに、日本で最も利用者が多い海老名SAからの合流が続く。
「トンネル」で渋滞が起きてしまう原因
次に「トンネル」も古典的な渋滞の原因ポイントであることはよく知られている。
トンネルに入ると周囲が暗くなるためスピードを落とそうとする意識が働きやすいこと、さらにトンネル内では車はランプをつける(あるいは自動的に点灯する)が、後続車はブレーキランプが踏まれたと勘違いし、自分もつられてついアクセスを弱めてしまいスピードが落ちることで渋滞が発生する。
かつての渋滞の常連区間は、「日本坂トンネル(東名)」「天王山トンネル(名神)」(いずれも並行するトンネルを掘って車線を拡幅し、現在ではほぼ解消)などトンネル区間が多かったし、現在でも中央道の「小仏トンネル」や上信越道の「八風山トンネル」などが渋滞の発生区間としてよく知られる。
しかし、東名下りの大和トンネルにおける渋滞は、別の理由からだ。トンネル自体はわずか300mにも満たないほどで、しかも山間部ではなく米軍基地の滑走路のすぐ北をアンダーパスする構造で、照明をつけなくても通り抜けられるほどの短いトンネルだ。
【2019年9月2日13時15分追記】初出時、大和トンネルと米軍基地との位置関係に誤りがありましたので、表記のように修正しました。
しかし、東京方面から西下すると、このトンネルまでゆるやかな下り坂になっており、トンネルの直前で勾配が元に戻る。この勾配の変化で通行する車のスピードが自然に落ち、渋滞の原因になっていると言われている。こうした下り勾配から平坦になったり登り坂に変わる地点を「サグ(sag)」と呼び、意識しづらいだけに対策も難しい渋滞の元凶となっている。ちなみに、sagは、聞きなれない言葉だが、「たわむ」「たるむ」「垂れ下がる」といった意味を持つ英語である。
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