介護現場が2025年までに直面する重大な課題 人材育成を呼びかける若き経営者の危機感
堀:参加者の皆さんの反応はいかがでしたか?
秋本:業界の中だけにいると、自分の現場のやり方がすべてで、課題があっても解決策も思いつかないという状況で。学びの場「PRESENT」ではいろんな知恵の交換もできるし、講師の方からのインプットもあるので、すごく活性化した議論もされていましたし、「明日から現場にこういうことを持ち帰りたい」という意見も出てきました。
「何を本当に学ぶべきなのだろう」という問い
堀:いったん現場に入ってしまうと、研修のような学びの場はなくなってしまうのでしょうか?
秋本:現場だと、介護の専門職として資格を取得するために学ぶということはするのですが、今の時代の中で求められるのは、その専門性はもちろんなのですが、「目の前のおじいちゃんをハッピーにできたら終わりかと思ったら、隣のおじいちゃんが孤独死しているという状況が地域の中である中で、それをどう解決していくか」というようなミッションに解決策を提示する力だと思っています。そうなると、専門職としての専門性を高めていくだけではなくて、「どう人を巻き込むか」ということなども学んでいかないといけないなと思っています。私たちが取り組んでいる学びの場「PRESENT」では、「今から私たちが何を本当に学ぶべきなのだろう」という問いをずっと自分たちに投げかけながらやっています。
堀:多様な環境がある中で、点では対応できないから面で対応していきましょうということですね。実際に活動を始めて5年。新たな発見や予想外だったことはありますか?
秋本:まず、学びの場「PRESENT」で皆さんがいろんな想いや問題意識を持っているなということに気づきました。その気づきから、KAIGO LEADERSでもう1つやっている取り組みがあります。介護領域や超高齢社会における問題に対して課題意識を持ち何かやりたいと思っている人が自分の思いをアクションに変えるための全6回のプログラム「KAIGO MY PROJECT」です。毎回アットホームに皆さんが対話をするような場を設けながら、自分の問題意識や思いを言語化しながらアクションへと変えていける環境をつくっています。ここでのかかわりや変化は大きかったです。