介護現場が2025年までに直面する重大な課題 人材育成を呼びかける若き経営者の危機感

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:介護現場の方々の支えは大きいですね。

秋本:本当にそうですね。家族が全部担うとなると、どうしても大きな負担になってしまいます。それは、どれだけおじいちゃんのことが大好きだとしても、それを家族だけで支えるとなると、やはりどこか無理が生じてしまうと思います。無理をしない程度に支えていくということを家族としては意識しながら、借りられる手は借りるようにしているので、介護の事業所のスタッフの皆さんには本当に支えられているなと思います。

:介護をしてくれる職員の皆さんがかかわってくれているというのは、どういう部分が助かっているなと思いますか?

「2025年に向けて私たちが何を学び、どうアクションをすべきか」という問いから生まれたイベントを開催している(写真:GARDEN Journalism)

秋本:毎日ずっと家にいて、食事や排泄、入浴のお世話もそうですし、ずっとみないといけない状況が続いてしまうと、家族の心理的な負担は大きい。週に5回、日中帯デイサービスに通ってお風呂を終えて帰ってくるので、すごく負担が減っているなと思います。専門職は、ご家族の心の状態を含めて身近な存在として関係を築きそこに対してアプローチできる、すごく大切な存在です。まず働く人がどう生き生きと働けるかとか、活躍できる環境をつくれるかが大切だなと思い、今のKAIGO LEADERSの取り組みをやっています。

2025年に向け、何を学び、どうアクションするか

:KAIGO LEADERSでは具体的にどのような取り組みをやってきたのでしょうか。

秋本:KAIGO LEADERSでは2つの取り組みをやっています。1つは、隔月でやっている学びの場「PRESENT」というイベントです。「2025年に向けて私たちが何を学び、どうアクションをすべきか」という問いから生まれ、業界内外のトップランナーをお招きして開催しているものです。開場からお酒もご飯も楽しみながら、自分の職場を超えて人と人とがつながることのできる場となっています。参加者の年齢層は20〜30代が中心なのですが、職種はバラバラで、専門職や介護職もいれば、官僚や行政マン、ITやテクノロジーの分野にかかわっている方もいます。

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