介護現場が2025年までに直面する重大な課題 人材育成を呼びかける若き経営者の危機感

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

:具体的にどのような成果がありましたか?

KAIGO MY PROJECTから生まれた、高齢者の孤立問題を解決するためビデオ通話で高齢者同士がつながれるサービス(写真:KAIGO LEADERS)

秋本:これまで、専門職だけでなく、お医者さんや看護師さん、リハビリ師さんなど計121人が参加してくださいました。その中で、実際に現場で働いている介護職の方が自分の現場をよりよくするために事業所内で企画提案をして実際に取り組みを始めたり、地域の中で独居高齢者同士をビデオ通話でつなぐ取り組みを始めた方がいたり。また、視覚障害者のお母さんを持つ人が同行援護をするサービスを立ち上げたり、管理者が参加した時には「離職ゼロを目指そう」ということで1年間実際に離職者ゼロを実現したり。

さらに、お医者さんで、「毎回病院に通院するたびに深刻な状況で来られるけれど、もっと早い段階でかかわれていたらこんなにつらい思いをしないで済んだのに」ということを介護職とのかかわりの中で気づき、大学病院での医者を辞め、介護職の人がお医者さんと気軽に相談できる「ドクターメイト」(参考:ドクターメイト)というサービスを立ち上げたというケースもありました。環境さえあれば思いのある人の可能性を開けるんだなということを、5年間のいろんな人との出会いや変化ですごく感じさせてもらいました。8月から14期が始まる予定です。

全国展開に向け、クラウドファンディングをスタート!

:今回クラウドファンディングを立ち上げました。これまでの積み重ねをさらに広げていきたいということですよね。具体的にはどのようなことを展開していきたいですか?

秋本:「介護職は大変だ」というイメージが世間的に先行していて、思いを持って現場に飛び込んだとしても利用者さんの思いに寄り添うことはあっても、自分の思いを語るという機会がなかなかない中で疲弊してしまうという現状を見てきました。人が本来持っている可能性がそこに留まっているというのは勿体ないなと思っているので、その環境を広めていきたいと思っています。現在KAIGO LEADERSは東京だけなのですが、今年中に大阪と金沢、さらに札幌、仙台、広島、福岡、名古屋の全国8都市に支部を展開していきたいと思っています。

今年中に大阪と金沢、さらに札幌、仙台、広島、福岡、名古屋の全国8都市に支部を展開していきたい(図:KAIGO LEADERS)
次ページ全国展開するきっかけ
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事