東大生が厳選「世界史が好き&得意になる」3冊 「面白くない」の9割は読み方に難あり
そこで今日は、僕が今でも読み直す3冊の世界史の参考書と、その読み方を紹介させてください。
大きな「流れ」をつかむための一冊
みなさん一度は読んだはず、ご存じ山川出版社の『詳説 世界史B』。
僕はこの本が好きになるのに3年かかりました。逆に言えば、高校3年間、この教科書が嫌いで嫌いで仕方ありませんでした。
だってこの本の文章って、すごく「教科書的」なんです。事実がつらつら書かれているように見えて、しかも文章に強弱がない。網羅的に、ただ「その時代に何が起こったのか」が書いてあるようにしか見えなかったんです。面白い本だと思ったことは一度もありませんでした。
しかし実はこの本、「あるページ」を読んでおくと、とたんに面白く感じられるように作られていたのです。そのページは、多くの読者が読み飛ばしてしまう、章ごとに付いている「アレ」です。
そう、答えは「その章のリード文」です。
たとえば「第1章 オリエントと地中海世界」には、いちばんはじめに「第1章ではこんなことが書いてありますよ」というリード文が、その章のまとめとして載っています。要は、その章の「流れ」が、たった1ページに全部詰まっているのです。
これを読めば、「この時代はどういう時代だったのか」「どうしてこのような出来事が起こったのか」という世界史の大きな流れが理解できるようになります。
普通に読んでいるだけでは「へえ、ローマ文明ってのがあったんだー」くらいにしか理解できないことでも、「そうか! ローマ文明はギリシア文明の影響を大きく受けていて、そのあとのヨーロッパの思想に大きな影響を与えたんだな!」と、「流れ」が理解できます。そうすれば、より多くの知識を吸収することができるんです。
「ローマはこんなところでギリシアと似てるんだ!」「たしかに今のヨーロッパでもこういう考え方あるよな!」と、1つの事実から関連させて多くの事実を理解することができるようになる。だから、複数の事実を暗記する必要なんてなくなるのです。
いわば、この「リード文」=「まとめ」を理解しておけば、一を聞いて十を知れるようになるのです。
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