東大生が厳選「世界史が好き&得意になる」3冊 「面白くない」の9割は読み方に難あり
でもだからこそ、使いこなすのに時間がかかります。授業や他の参考書で「ヨコから」世界史を見ることに慣れていると、この本とうまく付き合えるようになるまでに時間がかかってしまいます。僕もはじめは、うまく付き合うことができませんでした。
そこでこの本を、さっきの山川の教科書と同時並行で読んでみることにしました。「えっ!? 2冊同時に!?」とハードル高く感じる人もいるかもしれないんですが、そんなことはありません。辞書で単語を調べるのと同じように、『タテで覚える世界史B』を「その出来事に関連する情報」を調べるのに使えばいいんです。
たとえば山川の教科書で「イタリアでルネサンスが起こりました」と書いてあったら、「イタリアでルネサンスが起こる前ってどんなことがあったんだっけ?」「ルネサンス後どうなったんだろう?」ということを「タテで覚える」でチェックするんです。
そうすれば、「ルネサンスは、イタリアで都市共和国が栄えていたから発生したんだな」「ルネサンスが衰退したのはイタリア戦争の影響なんだな」と、他の出来事と関連させながら理解することができます。こういう他の出来事との関連が案外、入試では問われたりするんです。
1つの本・1つの見方では、関連させて覚えることはできません。「ヨコ」から世界史を見ているだけでは理解できないことも多いものです。しかし、この「タテで覚える」のように、新しい見方、斬新な視点を提供してくれる本を、他の本と同時並行で読めば、1つの出来事から多くの事実を知ることができる。同時並行で読むことで、2冊分以上の効果が得られるのです。
理解度をチェックするための一冊
最後に紹介するのはこの本、『荒巻の新世界史の見取り図』です。
この本、めちゃくちゃ面白いです。著者の文章の書き方がとてもうまく、大学入試を終えた東大生でも、いまだに読み物として読み直す学生が結構いるくらい面白い本です。
何が面白いって、この本めちゃくちゃ奥深いんです。他の教科書や参考書には絶対載っていないような超マニアックで面白いエピソードが載っていたり、「そうか! こういう視点で考えるとそんな関連があるのか!」と斬新なものの見方を提示してくれたり、果ては「世界史」という科目の域にとどまらず「今の世界にどういう影響を与えているのか」まで解説していてくれたりと、とても読み応えのある本なのです。
しかし白状すると、僕はこの本をはじめて読んだときには挫折しました。なぜか、なんとなく、面白いと感じられなかったのです。他の友達が「面白い!」と言って読んでいる横で、「どうして僕は面白く感じられないんだろう」と思い悩んでいました。
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