ギャンブル狂は再起不能のケースも多いため、秋代さんの意思で離婚したならとやかく言う筋合いはありません。しかしこの場合も秋代さんが、「親には2度も嫁入り支度をさせたようなもの。夫のところに戻りたいけれど、次に夫が自分を裏切った場合、帰るところがなくなるから戻れない」と言っていました。
彼女は親に内緒で子どもと一緒に夫と会っていましたが、結局は、離婚を避けられませんでした。周囲の誰もが、「いくら秋代さんの母親が金持ちでも、そのおカネを娘夫婦の再起に使わず、離婚させるために使うべきではなかった」と批判したほど、別居から離婚まではスピーディでした。
この2組の離婚は私に、結婚した子ども夫婦と親のそれぞれの独立心について、深く考えるきっかけになりました。
調停で夫婦問題の本質を見極めよう
親が強力に後押しする離婚話の修復は難しいものです。しかしそのような環境でも私は、家裁の調停を受ける過程でお互いが本音を出し合い、「誰よりも子どもを守るためにはお互いが最適の相棒と気づいた」などの理由で復縁した人を、何人か知っています。あなたと、夫人の(実家ぐるみでない)本音をぶつけ合う場は、調停しかない場合もあります。
私は妻の実家で夕食をとるのを日課とする新婚夫婦をみると、それが妻の仕事の都合でも、あまり良い印象を持っていません。特別の事情がある場合は別ですが、その気楽さを覚えた「妻」はなかなかそれを手放せず、軽い気持ちで始まった実家依存が結果として、新しい家庭として自立するのを遅らせる要因になった例を、幾例もみてきたからです。
あなたの義母ももう少し賢明なら、このような娘の実家依存度は、娘家族によくないと判断できたはずです。夫人の母娘の密着度は度を超えていると、私も思います。
それはこのような事態になる前に、娘の愚痴なりを一方的に聞いてきた義母が、婿であるあなたに確かめたり忠告したり、仲裁することが一度もなかったことからも想像できます。これはまた夫人の愚痴や不満を増長させ、あなたに非がない問題でも夫人の誇張で、白いものも黒くなってしまう傾向になる話です。今のあなたに勝ち目はありません。
長い目でみれば(親が健在かどうかにかかわらず)、いつかは夫人も親離れするときが来るものです。そのことも念頭に入れ、どの程度の譲歩ならあなたが望む復縁に可能性があるのか、それ以前の問題なのかなど、調停で夫人の本音を知ることが先決です。
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