「実家依存症の妻」との喧嘩が泥沼になるワケ 親が強力に後押しする離婚話の修復は難しい

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パーソナリティ障害などは微妙な病ですし、早期治療も大切ですからめったなことを言うつもりはありませんが、この病や発達障害などは、調べると多くの「健常者」にも当てはまる項目も多いので、まずその点が気になりました。

あなたがおっしゃる「妻が実家を頼ってしまう状況をつくったことを反省」とは、どのような内容でどの程度でしょうか。この点を抜きにしては夫人の出方が、本当に親離れできなかったためか、やむをえなかったことなのか、判断しかねます。

とは言うものの、いくらあなたにその原因があろうとも、夫人のそれほどの実家べったり生活と、それを受け入れた夫人の実家も、大いに問題があります。今回はこの点にも警鐘を鳴らしたく、取り上げさせていただきました。

実家密着型の夫婦げんかは始末が悪い

娘が結婚した後も子離れできない親が犯す過ちを、私は何例もみてきました。ひどいケースでは、娘夫婦のけんかを親がさらにたきつけて大きくし、さっさと別れさせてしまう親がいることです。

それで悪縁が絶たれたのならまだいいのですが、私の近辺で起きた事例では2人もの「娘」が、「次に夫婦げんかしたら親からも見放されるのでそれが怖く、戻りたいけど戻れない」と言って離婚したことです。こんな理由で父親から引き離された子どもこそ迷惑です。

一人は節子さん(仮名)で、大恋愛の末の結婚でした。一人娘をもうけ、人もうらやむ幸せな結婚生活でしたが、大変嫉妬深い人でした。20代の仲代達矢さんばりのハンサムな夫が浮気したとか誤解だとかの夫婦げんかが絶えませんでした。節子さんも一人娘でその母親も若く、いわゆる仲良し友だちのような母娘でした。が、彼女がもう少し賢ければ、夫と相性が悪かった自分の両親に、夫婦げんかを逐一報告し、泣いて帰ることはなかったでしょう。

節子さんの母親は“何度も妻を連れ戻しに行った婿”と“夫に未練たっぷりの娘”の間に入って、「待ってました」と言わんばかりに、問答無用に2人の仲を裂きました。この夫である男性に聞いた話ですが、「元義両親はいつも喜々としていて、自分の話を聞こうともしなかった」そうです。節子さんは渦中にも、「こんなに夫婦げんかが大きくなるとは思わなかった」と戸惑いつつ最後には、「今は両親のほうが怖く、裏切れない」となり離婚になりました。

もう一人の秋代さん(仮名)は、秋代さんからの猛烈なアタックでの結婚でした。こちらは夫がギャンブルで、仕事上のおカネに手をつけたことが、コトの発端です。富豪夫人の秋代さんの母親は婿の謝罪など一切聞かず、婿が再起するために必要な金額の援助など、彼女(秋代さんの母)の財力を鑑みれば小さい額だったのに、その何十倍ものおカネを使ってさっさとマンションと所帯道具一式を娘に買い与え、娘と2人の孫を住まわせました。

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