絶好調「建機レンタル業界」に迫る寡占化の波 競争激化で、大手の利益率は伸び悩み状態

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同様の状況は西尾レントオールやサコスなど、ほかの上場する建機レンタル業者でも見られる。各社は、将来を見据えて建機の入れ替えを行い償却負担が増加していることもあるが、市場の単価下落が利益率の押し下げ要因ともなっている。

実は業界団体である日本建設機械レンタル協会の正会員数はここ数年減少傾向にある。バブル経済崩壊後の1998年度では1299名だったが、東日本大震災前の2011年度では972名にまで減った。最近は仕事の増加もあって1044名にまで盛り返したが、トレンドとしては減少傾向が続く。

参入障壁が少ない同業界において、バブル経済期以降、業者数が減っているのは業界の寡占化が進んでいるためとも考えられる。寡占化が進行し、その過程で仕事を取り込もうとする中小各社の動きが利益率の押し下げに影響する。

無謀な設備投資から連鎖倒産事件も

2017年12月、業界で4社が連鎖する大型倒産事件が発生した。中核のPROEARTH(プロアース、負債約150億円)は、循環取引を指摘され、資金繰りが回らず民事再生法の適用を申請した。その後、循環取引の根深さから債権者の協力も得られず、2018年2月に破産開始決定を受けた。

プロアースは2007年9月に設立された新興の業者だった。建設重機・車両販売とレンタル事業を行い、売上高は倍々に伸ばして、2017年度は177億円に達していた。同社が成長したのは東日本大震災の復興需要を取り込んだためだった。解体用の特殊重機を保有し、ゼネコンには泥臭い営業もいとわぬところが重宝され、中小・零細企業も次々と顧客に取り込んでいった。

だがプロアースについては、積極的な受注に対し、高い値段で機械を購入、「在庫を持ちすぎている」と危惧する声も多かった。結果的に震災復興工事が終盤に差しかかると、無理な拡大策が資金繰りに影響した。

2017年3月、法人税の過小申告により東京国税局から重加算税等約2億8000万円が追徴され、信用不安が一気に広がった。さらに同年10月、親密取引先の日商(宮城県、負債約38億円)が破産を申請、不良債権の発生が追い打ちをかけた。これで取引先も警戒し、循環取引で保ってきた資金繰りが回らなくなった。

そもそもの原因は自社の資金繰りの限界を超えた建機在庫を調達していたところにあった。東日本大震災の復興工事が終盤に差し掛かると建機の稼働率と資金繰りのバランスが崩れる。循環取引で保った資金繰りもついに支え切れなくなったと考えられる。プロアースの破綻は中小企業の設備投資の難しさを示す教訓となった。

絶好調の背景にあるオリンピック特需がこのまま続くとは考えにくい。市場が急速に縮むことはないにしても、業界は成熟期に入り、環境はよいとはいえない。

業界各社は将来の仕事を確保する地盤づくりに頭を悩ませる。寡占化が進めば、いずれレンタル単価も安定してくるだろう。今、生き残りと淘汰の選別の線上で各社は揺れ動いている。

橋本 邦夫 東洋経済 記者
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