NYで必見、トニー賞受賞のミュージカル5選 アニメ「スポンジ・ボブ」は舞台装置が圧巻

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トニー賞発表! この夏、絶対に見逃せない新作ブロードウェイ・ミュージカル5選(PHOTO BY Theo Wargo/Getty Images for Tony Awards Productions)

年1回のニューヨーク演劇界最大のイヴェント“トニー賞授賞式”が現地時間の6月10日夜(日本時間では11日昼)に開催された。前年夏から当年春までにブロードウェイの劇場で開幕した作品が対象となるこの賞は、ニューヨークを訪れた際に何を観るべきか、の大きな指針になる。受賞作となったばかりの旬な新作ミュージカル5本を紹介しよう。

作品賞受賞の『迷子の警察音楽隊』は渋い意欲作

2015年『ファン・ホーム』(Fun Home)、2016年『ハミルトン』(Hamilton)、2017年『ディア・エヴァン・ハンセン』(Dear Evan Hansen)と、このところ新たな地平を開拓しようとする意欲作の作品賞受賞が相次いでいる“トニー賞”。今年のミュージカル作品賞受賞作『迷子の警察音楽隊』(The Band’s Visit/邦題は同名原作映画による)も、かなりの意欲作だ。

ミュージカル作品賞受賞作『迷子の警察音楽隊』(The Band’s Visit)

劇場に入ると目に入るのが、舞台に下りた半透明の幕に映し出された3行の携帯電話に関する注意書き。一番上が「Please turn off your cell phones」と英語で、その下がアラビア語、一番下がヘブライ語。それが象徴するように、この作品は、エジプトの伝統音楽を演奏する警察音楽隊がイスラエルを訪れて、偶然のいたずらから地元の市井の人々と交流することになる、という物語なのだ。

当記事は「HILLS LIFE DAILY」(運営:コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

2007年公開の原作映画をご覧になった方はおわかりと思うが、冒頭で音楽隊の面々が、ちょっとした手違いによって砂漠の小さな町に着いてしまうこと以外、大きな事件は何も起こらない。後は淡々と進んでいく。日常言語が通じ合わないアラビア語とヘブライ語なので、共通言語の英語でたどたどしく話すことも、それに輪をかける。だが、そんな状況が逆に異国の人々の心を不思議に通い合わせる。

次ページ内容に合わせて、音楽も渋い
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