ただ、残念ながら楽天やソフトバンクより若くて勢いがある、創業10年以内のベンチャー企業はランキングには登場しません。先週、大型上場を果たしたメルカリやラクスル、非公開ながら高い認知度を誇るSansan社などは相当数の中途採用を行っています。ランキングに登場してもいい気がしますが、どうしてなのでしょうか?
「チャレンジ転職」を選ぶ若手社会人
ランキングには入っていないものの、ベンチャー企業への転職に興味を高める若手社会人は増えていると筆者は感じます。大企業から「ベンチャーに転職しました」と誇らしげに?転職報告するメールに遭遇する機会が増えてきたからです。
大企業の人事部からも、優秀な若手社員がベンチャーに転職する人材流失に悩む声をよく聞くようになりました。しかも、
「あいつが辞めるとは思わなかった」
と期待の社員が想定外の退職をすることも増えているようです。
もちろん、大企業を辞めてベンチャー企業に転職する若手社会人が増えているといっても、その数は全体で見れば数%にも満たないもの。さらに大企業から安定度合いを確実にしたいとの意向から公務員に転職する若手社会人が増えています。おそらく全体的な母数で考えれば大企業・公務員のような安定志向が中心であるのは間違いありません。
ただ、わずかながら逆張りの「チャレンジ転職」を選ぶ若手社会人は、徐々に増えてきています。大企業から新興企業に転職すると、年収は一時的にはダウンすることも少なくありません。職場環境も大企業に比べれば下がる可能性が大。
ちなみに2000年前後も似たような状況であった気がします。サイバーエージェントやGMOなどネット系を中心に金融機関や総合商社から高い年収を捨ててチャレンジ転職した若手社員の活躍が注目されたことがありました。ただ、その後はリーマンショックや東日本大震災などで景気が悪化して、元気のいいベンチャー企業も減少。チャレンジ転職する若手社会人をみかける機会はなくなりました。ところが最近になって増えてきたのはなぜか?
ひとつには雇用環境が改善し、人手不足になり、気軽に転職しやすい環境になっていること。もうひとつは、将来的に大きく化けそうな分野のベンチャー企業が登場してきたからかもしれません。
冒頭に記載したメルカリに代表されるようなさまざまなアプリ、サービス企業が成長しているほか、AIやロボットなど大企業よりスピード感をもって成長する分野のベンチャー企業が登場してきました。そうした企業が確実に大きく成長するとは限りませんが、大企業の大きな組織の一員として所属しているよりも、成長実感を得られると感じることができるようです。
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