墓もピンキリ、格差の時代 2000万円の青山霊園から、海洋散骨まで

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海への「散骨ブーム」も静かなブーム

さらにはその先を行き、墓自体が要らない、というやり方もある。「海洋散骨」はその典型だ。故人の思い入れのある海に、酒や花束とともに遺骨を粉末状にしてまく。チャーター船を借り、首都圏であれば、東京湾の羽田沖や相模湾から散骨するパターンが多い。

実は1990年頃から始まっていた海洋散骨だが、元々は「戦友が沖縄の海に眠っているから」など、個別の事情から始まったという。現在では納骨堂と同様に、継承者が不要で「子どもに迷惑をかけずに済む」、といった理由が増えている。

海洋散骨の場合、遺骨を乾燥させ、機械を使って2ミリ以下に粉砕する。現在ではサン・ライフなど上場企業も参入しており、価格はチャーター代も含めて平均20万~30万円台。墓を買うよりはずっと安い。お参りしたければ、法要クルーズと称し、3回忌や7回忌などで海上に出ることもできる。

時代が変われば、墓のありようも変わってくる。2000万円近い超一等地の墓から、ロッカー式の納骨堂、果ては海洋散骨まで。今後も格差や嗜好を反映し、バラエティに富んださまざまな墓が増えそうだ。

 詳しくは週刊東洋経済』10月26日号巻頭特集「いま知りたい 終活」をぜひお読み下さい。

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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