墓もピンキリ、格差の時代

2000万円の青山霊園から、海洋散骨まで

犬養毅や池田勇人など、歴代総理も眠る、都営「青山霊園」(港区)。13年度の募集では8月26日に公開抽選会が行われ、50区画が売り出された。最も高い場所で、永代使用料が何と1635万円! 墓石代を含めれば、総額2000万円近いと見ていい。同じ都営で、多磨霊園(府中市・小金井市)は527万円、小平霊園(小平市・東村山市)でも480万円だ。いかに都心で墓不足が深刻なのかがわかる。これらはみな通うのにも便利で、都営ゆえに宗旨・宗派を問わない、というのも魅力だろう。

日本人の墓参りの頻度は、平均で年2.8回という(メモリアルアートの大野屋「11年・お墓参りに関する意識調査」)。墓参りが足りないと思う理由のトップは、「お墓が遠いから」(61.0%)。高齢化が進めば、体力的にもきつくなるし、郊外なら車でなければ移動できない、といったことが背景にある。

自動搬送・ロッカー式の納骨堂が増えるワケ

目下、大都市を中心に需要が増えているのが、先祖からの継承を問わない「納骨堂」だ。特にビル内にある、自動搬送でロッカー式の納骨堂が、注目されている。10年に開設された「本郷陵苑」(文京区)が、5年で販売する計画を1年半で売り切ったことから、大きくメディアに取り上げられた。

いずれも、JRや地下鉄の駅から徒歩5分圏内と、アクセスは抜群。値段も安い。4月から売り出した「両国陵苑」(墨田区)は、77万円という安さだ(ローンも可)。読み取り機にカードをかざすと、遺骨の入った厨子が自動的に、参拝口へとセットされてくる。斎場や本堂を備え、葬式や法要もできる、オールインワン・タイプである。

これらの納骨堂は、外墓地と異なり、墓石もなく、土に埋めたものでもない。だがその反面、屋内でエアコンも効いているから、掃除などのメンテナンスが楽、といったメリットもある。檀家制度の縛りもなく、子孫への継承も問われない。「お墓が一族の墓から、個人の墓に移っている」(霊園開発するニチリョクの役員)。開園時間も長いので、サラリーマンが会社帰りに手ぶらで墓参り、というのも可能である。

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