マクラーレンの驚異的成長を導いた力の正体 ランボルギーニに並び、フェラーリを追う
2016年までのたった6年でランボルギーニの生産台数に並び、まだまだ継続的成長を続けているマクラーレン。この理由をマクラーレン・オートモーティブ・アジアパシフィック担当マネージング・ディレクターのジョージ・ビッグス氏に尋ねてみた。
池田 直渡(以下、池田):新会社マクラーレン・オートモーティブの立ち上げ以降の業績を見ていると驚くべきものがあります。特に最初の1台をロールオフしてからわずか6年で売上高1000億円に達し、ランボルギーニの年産台数と並んだことに驚いています。なぜこんな急激な躍進ができたのでしょうか?
イマジネーションを刺激するクルマづくり
ジョージ・ビッグス(以下、ビッグス):われわれはつねにモータースポーツにフォーカスしてきました。われわれはまたどこの傘下でもなく、完全に独立した企業であることに誇りを持っており、親会社の支配を受けることなく、カーエンスジアストとしてクルマを設計しています。ドライバーファーストの思想の下に最新技術を投入し、優れたドライビング体験を最大限まで引き上げることを重視してきました。
お客様はそうしたメッセージの違いに鋭敏に気がつきます。世界にはとてもすばらしいスポーツカーがたくさんありますが、マクラーレンの運転席に座ったとき、一つひとつの操作系に触ったとき、その体験を最高のものだと確信でき、それは腕に自信のある速いドライバーがサーキットを走らせる場合だけでなく、街中を流すような使い方でもそのメッセージが混濁することなく伝わり、クルマのすばらしさに魅惑されるのです。
そうしたイマジネーションを刺激するクルマづくりがスーパーカーエンスージアストに認知されたことでわれわれの事業は拡大したのだと思います。
池田:たった6年でこれだけの成長を遂げたという結果を見ると、プロダクトが優れているというだけでは説明がつかないと思います。背景にマクラーレンのヒストリーがあってのものだと思うのです。レースシーンでの歴史もさることながら、ゴードン・マレーがデザインし、1993年にデビューしたロードカーのF1が20世紀最高の傑作車と評価されているイメージも非常に大きいのではないかと思います。
マクラーレンはフルカーボンのモノコックとセンター・ドライバーズ・シートを採用したことで、これまで狭く、ドライビングポジションに問題があったミッドシップスーパーカーに、正しいポジションと広い空間を与えることに成功しました。
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