noteの「中の人」が明かす知られざる裏側

UI/UXデザイナーが施した改善と成果

――小説にしても漫画にしても、売るための工夫が求められる中で、noteがその一助になり得る、と。

そうですね。すでに感度の高い作家さんや出版社は、noteに関心を持ち始めている手応えを得ています。僕らとしては、その効果を証明していくことで、noteのブランドを確立していかなければなりません。

――では、noteをどのように使えば、既存の作家や出版物の売り上げ向上につなげられるでしょうか?

乱暴な言い方をすれば、書籍は書店で平積みされることで一定の売り上げが担保されます。もちろん、平積みされるためにはクオリティーが伴わなければなりません。どんなに内容が優れていても人目に触れなければ売れないわけです。つまり、書籍の売り上げとは、「内容×露出の回数×購入機会(買いやすさ)」によって決まります。

このうち、露出の回数と購入機会については、noteやcakesといったウェブメディアの得意分野です。上手に活用されているクリエイターさんは、内容の一端をnoteで公開するなどしてファンを増やし、その流れのまま出版して部数を積み上げています。ほかにも、noteで連載したものにプラスαのコンテンツを添えて書籍化したり、ミステリーであれば物語の前半をnoteで公開し、最後の謎解き編を含めた完全版を書籍で販売したりするなど、さまざまな手法が考えられます。

日の目を見ない優れた作品がたくさんある

――とにかく本が売れないと嘆く出版関係者が多い昨今、インターネットは競合相手ではなく頼もしい味方になり得るわけですね。

そう思います。せっかく本を書いてもすぐに絶版になってしまうくらいなら、オンラインに載せたほうがいいでしょう。世の中には日の目を見ない優れた作品がたくさんあると思います。われわれとしてはそうした書き手や出版社とも積極的につながっていきたいですね。個人だけでなく、法人の活用も大歓迎です。

――最後にnoteのこれからの取り組みについてお聞かせください。

noteが取り組む柱は、大きく3つあります。コンテンツパワーを強くすること、発見性を高めること、そして継続性を高めることで、これは今後も変わりません。なかでもコンテンツパワーを強めるには、クリエイターを育てるという視点が必要になってくるでしょう。

例えば先日、3つの出版社と新たにパブリッシング・パートナーシップを締結しました。これはnoteと出版社をつなげることで、クリエイターの活躍の場を書籍などにも広げていくことを目的にしています。

これはまだほんの一例で、僕らが持っているオンラインのノウハウを使って、優れたクリエイターの作品を世に広めることはもちろん、将来的には文章指導や公開のテクニックを伝えるような施策もあり得るかもしれません。今日明日で手を付けられることではありませんが、われわれとしてもすべての創作者に長く作品づくりを続けてもらうために、長いスパンで考えていく必要があるでしょう。

「誰もが創作を始められ、続けられるようにする」世界をつくるために、私たちはサービスをどんどん改良していきます。

(取材・文:友清 哲/編集:ノオト)

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