noteの「中の人」が明かす知られざる裏側 UI/UXデザイナーが施した改善と成果

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――ビジネス面における成果についてはいかがでしょう。

アクティブユーザー数で見れば、昨年8月から3倍、クリエイターの継続率も1.8倍に伸びています。また、検索からの流入数は2.5倍、流通額も数倍になるなど、おかげさまでここまでは順調に運んでいると思います。

手段を選ばなければ、数字を伸ばすこと自体はさほど難しくはないかもしれません。ですがnoteでは、そのようなグロースを推奨せず、健全な成長を目指しています。例えば1つの記事を何ページかに分割してPVを稼ぐような手法は、多くのメディアが行っています。しかし、それは読者にとって健全とは言えません。

noteでは、「クリエイターファースト」、「ユーザーと対話をする」、「多様性を大事にする」、「素早く試す」、「大きな視点で考える」の5つのコンセプトを大切にしています。これはもともとピースオブケイクにあった考え方を、ワークショップを重ねながら改めて言語化したものです。

このコンセプトを踏まえて、コンテンツそのものを面白くし、それを読みたいと思うユニークなファンを増やしていける施策を選ぶことが理想です。

「ブログを書く」という体験をまるごとアレンジする

――noteは今後、どんな方向性を目指していくのでしょうか?

noteのミッションは、「誰もが創作を始められ、続けられるようにする」で、そのためには“ブログを書く”という体験をまるごとアレンジする必要があると思います。潜在的に書きたい意欲を持っていながら二の足を踏んでいる人というのは、楽しいコンテンツを目にすれば刺激されるものです。その意味で大ざっぱに言えば、「読む楽しさ」を追求することは、「書く楽しさ」を追求することと同義でしょう。

まず「読む楽しさ」とは、書き手が有名であるか否かにかかわらず、面白いコンテンツが届けられること。これは優れた文章を埋もれてしまわないよう、noteの持つSNS的な機能がサポートする部分ですね。

書き手がいっそう書きたくなること自体が、「読む楽しさ」につながる(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)

そして「書く楽しさ」とは、ツールとしての使いやすさもさることながら、自分の書いたものが誰かに読んでもらえることにあると思います。書き手にとって何よりもつらいのは、力作の原稿を書いて公開したのに、まったく読んでもらえないことです。書き手がいっそう書きたくなること自体が、「読む楽しさ」につながる。これはnoteの大きな特徴だと思います。

――その意味では、こうして多くの人がブログを書いている現状を見ると、世の中にいかに“書きたい人”が多いのかがうかがえます。

人間はもともと本能的に、情報を吐き出したい生き物なんですよね。人間が他の動物と異なるのは、知識を次の世代に伝えられること。つまり情報を伝えたいというのは、種として存続していくための遺伝子レベルの欲求とも考えられます。現代社会では、その手段の1つがブログなわけです。

次ページ書きたくてもその機会が得られない
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