NEWS小山と加藤の謝罪に見た世間との温度差 未成年と飲酒、テレビの発言は適切だったか
もう1つ挙げておきたいのは、ジャニーズ事務所の対応。今回のスピーディな対応とマスコミ向けの文書は、山口達也さんの騒動時と比べると進歩を感じさせました。
しかし、初動対応としては、おおむね問題ないものの、ディテールには疑問符をつけたくなってしまったのも事実。ジャニーズ事務所も前述した視聴者が知りたい核心に触れず、NEWSの過去もスルーしました。特に「未成年飲酒騒動がきっかけで2人のメンバーが抜けた」という過去は、今回の騒動とは切り離せない過去であり、なかったことにしてはいけないはずです。
それ以外にも3人のメンバーが脱退して当初の9人から4人に減ったこと、残ったメンバーも女性スキャンダルが続いていたことなど、マネジメントがうまくいっていないことは明らか。しかし、グループのマネジメントを手掛けるジャニーズ事務所が、その失敗を認めることはありません。
近年、ジャニーズ事務所の騒動を立て続けに見てきた人々は、「それらが個人の問題ではなく組織的な体質によるもの」と感じるようになりました。「組織的な体質改善が必要」「それができなければブランドイメージは低下する一方」という意味では、どこか日大の構図と似ています。ジャニーズ事務所は、所属タレント以上に、組織自体のダメージコントロールを考えたほうがいいのではないでしょうか。
「未成年が嘘をつく」リスクは芸能人の共通認識
昨年から今年にかけて、狩野英孝さん、小出恵介さん、山口達也さんに、未成年女性との淫行や強制わいせつ騒動がありました。今回の小山さんと加藤さんは飲酒のみではありますが、私たちが考える以上に芸能人たちと未成年の接点は多いようです。
しかし、私が知る限り、テレビ出演の多い芸能人たちは、「未成年が年齢を偽って飲みの席に来ることは、珍しいことではない」「だから気をつけなければいけない」というのが共通認識。未成年をターゲットに入れたアイドルなら、なおのことであり、関係者からも注意を受けているでしょう。
それでもリスクを排除できないのは、芸能人になったときの「目立ちたい」「モテたい」という気持ちなのか。それとも、日ごろの仕事やプレッシャーによるストレスなのか。いずれにしても、人気商売に従事するプロフェッショナルらしからぬ脇の甘さを感じざるを得ません。
今ごろ、芸能事務所の内部で「ウチは気をつけろ」という声が間違いなく飛び交っているでしょう。それでも他山の石とはならないところに芸能界の難しさがありますが、それは一般企業も似たところがあるのではないでしょうか。
今回の騒動は、単なる未成年の飲酒だけでなく、マネジメントサイドの問題点を考えさせるものであり、みなさんも「ウチの会社は性善説で任せてしまっていいのか?」と考えるきっかけになる気がしています。
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