NEWS小山と加藤の謝罪に見た世間との温度差 未成年と飲酒、テレビの発言は適切だったか

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「そもそもどういう知り合いなの?」「何が目的の飲み会なの?」「飲み会だけでその先はなかったの?」「旅館のとき、未成年はいなかったの?」「他に未成年女性の知り合いはいるの?」

2度の音声流出騒動に見舞われた小山さんは、すでに「これらを説明しなければ、信頼を取り戻せない」という苦境に陥っています。どんなに反省して変わった姿を見せても、過去の疑念を晴らしておかなければ、本当の信頼は得られません。だからこそ、クライシス・コミュニケーションでは、できる限りのことを開示して、膿を出し切っておくことが大切なのです。

タレントキャスター化を進める日テレの落とし穴

少し目線を変えると、「news every.」を放送している日本テレビは、この1カ月あまりで大きなダメージを受けました。

山口達也さんの騒動による「ZIP!」と「ザ!鉄腕!DASH!!」へのダメージ。さらに今回の騒動では、「news every.」に加え、NEWSの楽曲「BLUE」をテーマソングとして起用したサッカーワールドカップロシア大会の日本テレビ系中継、7月スタートの加藤シゲアキさん主演ドラマ「ゼロ 一獲千金ゲーム」もダメージをくらってしまったのです。

しかし、これは裏を返せば、「さまざまなジャンルの番組にジャニーズ事務所のアイドルを起用したからであり、そのリスクを承知で勝負していた」ということ。特に日本テレビはアイドルに限らず、朝の「スッキリ」から夜の「NEWS ZERO」まで、報道・情報番組におけるタレントのキャスター起用が多いだけに、起きるべくして起きたことと言えます。

そもそもキャスターはニュースの専門家であり、信頼性や説得力のために「他ジャンルの番組には出ない」のが普通の職種。海外の人々から見たら、日本テレビの成功を受けてタレントのキャスター起用が相次ぐ日本は異様な現象でもあり、安易な視聴率対策やショーアップ化は、そろそろ見直すべき時期に来ているのかもしれません。

現在、多くの視聴者が報道・情報番組に求めているのは、安心・安全と信頼性。テレビや新聞などの既存メディアに不信感が芽生え、ネットに玉石混交の情報が飛び交う中、報道・情報番組のキャスターには、安心・安全と信頼性を体現する人物がフィットするもの。しかし、そこにはまる人物を見つけられないのが、民放各局の課題となっています。

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