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「農家の直売所」が日本の農業を変える仕掛け 農業総合研究所トップにロングインタビュー

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及川:まず、「持続可能な農産業を実現し生活者を豊かにする」という当社の理念が根幹にあります。

(画像:農業総合研究所 コーポレート・サイトより)

農業は人々の胃袋と心を満たすためにあるものです。我々は、この農業が、世界からなくならない仕組みを作りたいのです。それはつまり、農業が魅力あるビジネスとして成立する仕組みを作る、ということです。

そのためになすべきことの1つは、農業の産業化です。努力すれば事業が成長する、一方で努力を怠れば撤退を余儀なくされる。頑張れば頑張るほどお金・資本が集まる、そういう仕組みが必要です。これを、農業の流通に持ち込んだのです。自分で値段を決められて、出荷先も決められる。メーカーと同じポジションで農家が自由に販売できる仕組みを作ることで、もっと農業が発展していくのではないかと考えました。

なすべきことの2つ目は、農業の構造改革です。これは、シンプルに言うと、「ありがとう」がダイレクトに生産者に届く仕組みを作ることだと思うんですよ。食べてくれてありがとう。いつも美味しい野菜と果物ありがとう。こういう言葉が、ダイレクトに届くことで、農家のモチベーションがあがる構造を作ろうと考えました。

村上:こういった仕組みを作ることは、JAの活動に対するアンチテーゼになるのかなという気もしますが、そのあたりはいかがでしょうか。

JAのありがたみも重々わかっています

及川:いえ、JAが嫌いなわけでもないですし、悪いと思っているわけでもありません。良い部分もたくさんあります。大量流通、大量販売が出来て、生産者が出荷する際の手間も少ないです。自分で農家をしていた経験からJAのありがたみも重々分かっています。

もちろん、問題もあります。それは、生産者に他の選択肢がないことです。JAや市場にしか出荷できない。これは非常に閉じた仕組みです。だから、流通の種類を増やすことで、作る人も、食べる人も自分で選択できるようにしたいと考えました。

その選択肢の一つとして、JAや市場に並んで、我々の「農家の直売所」があってもいいのではないかという気持ちでやっています。

(農業総合研究所「成長可能性に関する説明資料」より)

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【消費者の「ありがとう」は届いたのか】

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