「子持ち同性愛カップル」家事分担のリアル 男女カップルより平等に分担されているのか

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「共働きでどっちがどの家事をするのかと互いにストレスを抱えるよりは、家庭にいるほうが私には楽に思える」と、ワイオミング州でフルタイムで働く妻と5人の子どもを育てているサラ・プルイス(41)は言う。

ノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカーは、夫が稼ぎ、妻が家事と育児をするという点で結婚は効率的だと論じた。しかしここ数十年で、女性がリプロダクティブライツ(性と生殖に関する権利)と仕事を持つようになるにつれ、結婚は人と人とのつながりの面が強くなった。

同性愛カップルは収入格差が小さい

しかし、男性と結婚している女性は、自身も仕事を持ち夫よりも収入が多い場合でも、家事の負担が夫よりも多く、社会学者らの研究では家事は女性に偏っていることが明らかになっている。

料理に掃除、洗濯、育児など女性が担う仕事は主に室内のもので、頻度も高い。一方で男性が担うのはごみ出しや芝刈り、洗車など屋外のもので、頻度は低い。

同性愛のカップルは、賃金が発生しない労働をより平等に分担すると数多くの研究が示している。彼らは従来の性別による役割分担にとらわれることはなく、より平等主義的な傾向がある。

また同性愛のカップルは、性別による収入格差が小さく、双方が働いている場合が多いため、収入の差が想定されるとは限らない。同性婚が合法になる前は、一方が仕事を辞めることにはリスクがあった。別れたときや死別した際の共有財産の分与が少なくなってしまうからだ。

だがここ数年、政府の統計も重ねられたことで、同性愛のカップルの家事分担についてより詳細な研究が可能になった。

サンフランシスコで暮らすドリアン・ケンダル(43)とジャレド・ハント(38)は結婚して4年。家事はそれぞれの好みで分けているという。

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