国内生保・大手9社トップインタビュー--業界再編の行方は?

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朝日生命 佐藤美樹社長
他社と組むというニーズがない だから株式会社化もありえません

 今年11月後半の発表を予定し_ている09年から始める3カ_年計画では、「規模の拡大より質の充実」「マーケティング、商品、サ_ービスに特色がある会社」を目指していこうと考えています。

営業職員を信頼して、「任せたよ」というお客様ばかりを相手にする時代ではなくなりました。商品を比較して契約したいというお客様、貯蓄性のあるものは銀行に任せればよいというお客様にも対応できるよう、ターゲットに合った商品を開発して、そ商品に合った販売チャネルで売っていく方針です。

具体的には、ネット通信販売向けに、わかりやすさを追求したシンプルな仕組みの商品の開発や、銀行窓販での貯蓄性商品の販売をやっていこうと進めています。今のところ、詳細はまだ言えませんがね(笑)。

ただ、新チャネルを設けても、営業職員による対面販売がコアな部分であることは変わりません。現にここで会社の利益を上げているわけですから大事にしたい。レベルの高いコンサルティングができるように高度化を図ります。営業職員のレベルを向上させることで、シェアを上げていけばいいけですよ。

保険金不払い問題によって、お客様のニーズが「シンプルでわかりやすい」商品に移っています。ですから営業職員チャネル向けの新商品では、既存の『保険王』を見直し、次世代の『保険王』を開発したいと、2年後くらいを目指して、社内で議論しているところです。

シニア人口はもちろん増えていきますので、基礎的な年金医療で民間生保も活躍しなければならない使命があります。また、女性が働きやすい環境が整備されるこれからの社会で、女性のマーケットも広がっていくと思います。必ず伸びる「シニアと女性」に力点を置いた、マケティングと商品の強化を図りたいと考えています。

保険会社が46社あって、競争が厳しいのは確かです。だからといって今のわが社では、合併・統合ということは考えられません。生命保険会社というのは契約管理システムなど装置産業で、生保同士の統合ということになると、リストラ、合理化という話になりますよね。必ずしも1プラス1が2にはならない。また、『保険王』を損保の代理店さんが売れるかというと難しいように感じますし、販路としてのシナジーはないでしょう。

株式会社化に関しては、是々非々ですね。再編をするなど目的があば避けて通れない。ですが、現時点では、シナジーを狙って他社と組みたいというニーズがない以上、必要はない。外に向かって信頼を回復しようと注力している現時点では、社内の体力をつけることが優先課題です。

(生保・損保特集編集部 撮影:風間仁一郎、今井康一、尾形文繁、梅谷秀司、吉野純治)

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