乳がん切除後の化学療法は多くが不要だった 化学療法が不要な女性は米国だけで10万人も
この研究は「TAILORx」と名付けられ、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンにも掲載された。乳がんがリンパ節の近くまで広がっておらず、がん腫瘍がホルモン療法に反応し、HER2遺伝子検査の結果が陰性であった1万人の女性を調査している。
そのうち、スコアが11-25の中間レベルであった6711人には、ホルモン療法のみ、または、ホルモン療法と化学療法の両方が任意に割り当てられた。
この研究によると、この種の乳がんを患った50歳以上の女性全員が化学療法を受けなくても良いことが分かった。この年齢層は同研究の対象者全員の85%に当たる。更に、スコアが0-15だった50歳以下の女性は、化学療法を受けずに済むので、中毒性副作用も避けられる。
一方で、化学療法はがん再発スコアが16-25だった50歳以下の女性に何らかの利益をもたらすことも分かった。
乳がんの治療方法を変える可能性
ゲノムヘルスのスティーブン・シャック主任技師は、早期乳がんを患うアメリカ人女性の約10人に4人は、がん再発リスク検査を受けていないと述べ、この研究結果が乳がんの治療方法を変えることを期待している。
「これは最高のレベルの証拠となるため、臨床診療には不可欠な検査になるでしょう」とシャック主任技師は述べた。
ゲノムヘルスは、現在、90カ国以上で90万人以上の患者に検査を提供しており、アメリカでの検査料金は4000ドルだが、メディケアや全ての大手保険会社の健康保険が適用される。
(報告:ジュディ・スティーンハイセン、編集:ビル・バークロット)
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