ファミマとローソンの株価に大差がつく理由 両社の株価は4カ月で約1.5倍の差になった

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東京都内で開かれたローソンの株主総会。株主からは株価低迷や業績の停滞に対する不満が続出した(編集部撮影)

5月22日に東京都内で開かれた定時株主総会では、株主から竹増貞信社長に対し厳しい声が相次いだ。

ある株主は「ユニー・ファミリーマートHD株の上昇率がすごい。ローソンの株価はまったく上がらない。あなた(竹増社長)が辞めるのか、株価を上げるために何か抜本的なことができるのか。三菱商事にもう一度TOBをしてもらって、上場廃止したらどうか」と語気を強めた。

共通の課題は「日販の向上」

これに対し、竹増社長は「2017~2018年度の2年間については、基盤整備と将来への成長のための投資をしっかりと行っていく。そのうえで、2019年度からもう一度成長軌道に乗っていこうという計画を持っている。これを株式市場にも説明してご理解をいただきたい」と述べた。

基盤整備や成長のための投資とは、2018年度中に開業を予定している銀行業の準備費用や、自動釣り銭機付きレジなど加盟店の業務効率化へ向けたシステム投資のこと。これに関連した費用が先行して発生することから、2018年度は2期連続の営業減益となる見通しだ。

別の問題としてのしかかるのが、コンビニチェーンとして最も重要な日販(1日当たり1店売上高)が伸び悩んでいることだ。ローソンの2017年度の全店日販は53.6万円(前年度は54万円)と、微減で着地。目標に掲げる60万円や首位セブン-イレブン・ジャパンの65.3万円には程遠い。

同様のことはファミリーマートにもいえる。サークルK・サンクスからファミリーマートに看板替えした店舗は、転換前に比べて日販、客数が10%以上も上昇。ただ、ファミリーマートの全店日販自体は52万円とほぼ横ばいで、ローソンと同じくセブンとの差は小さくない。

競争激化による客数減少や人手不足といった課題を抱える中、どのように既存店の日販を上向かせるか。足元の株価動向は異なるが、継続して市場で評価をされるためには、ユニー・ファミリーマートHD、ローソンともに日販の向上が欠かせない。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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