日大アメフト部の指導者に欠けていた言葉

選手の緊張や不安を取り除くのが本分だ

「男にはな、人生をかけて戦わなあかん時がある。相手がどんなに強い、相手のほうが絶対に有利だと言われててもな、立ち向かって行かないかん時がある。
松下電工が強い、有利だというのは、マスコミが言ってるだけやろ。フットボールの内容、チームワーク、どれを取ってもわれわれのほうが上や! それぐらいの力はお前ら1人ひとりが持っとる。お前らならできる、お前らならできるんや!
やろう! このチームで最後の最後まで頑張って、力を出し尽くして今日は勝つ!
さあ、勝つぞ! 1・2・3・GO!」

選手の緊張や不安を逆に高めてしまう指導者もいる

この45秒ほどの言葉を聴いた選手たちは、心を震わせ涙を流し、プレー開始直後からビッグプレーを連発したのです。

『たった1分で相手をやる気にさせる話術 PEP TALK(ペップトーク)』(フォレスト出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

これが本当のスポーツマンシップであり、指導者がかける言葉なのではないでしょうか。

日大アメフト部の内田正人・前監督や井上奨・前コーチの供述を「虚偽」と認定した関東学生アメリカンフットボール連盟が5月29日に開いた記者会見で明らかにされた関係者の証言や、さまざまなメディアで報じられている情報などを総合する限り、内田前監督や井上前コーチが選手に投げかけていた言葉は、ペップトークとはまるで正反対だったのではないかと私は感じます。

ただ、これは日大アメフト部だけの問題ではなく、閉鎖的で前時代的な一部のスポーツ指導の現場では、選手の力を引き出すどころか逆に緊張や不安を高めてしまうことがまかり通っています。たとえば、少年野球の指導者が、「三振するな!」と選手に声をかけてしまうような場面はいまだによくあります。

実は「ミスをするな!」というマイナスの言葉を発すると、人は本来の持つ力を発揮することができません。これはビジネスにおけるリーダーの言葉がけも同じです。

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