「男にはな、人生をかけて戦わなあかん時がある。相手がどんなに強い、相手のほうが絶対に有利だと言われててもな、立ち向かって行かないかん時がある。
松下電工が強い、有利だというのは、マスコミが言ってるだけやろ。フットボールの内容、チームワーク、どれを取ってもわれわれのほうが上や! それぐらいの力はお前ら1人ひとりが持っとる。お前らならできる、お前らならできるんや!
やろう! このチームで最後の最後まで頑張って、力を出し尽くして今日は勝つ!
さあ、勝つぞ! 1・2・3・GO!」
選手の緊張や不安を逆に高めてしまう指導者もいる
この45秒ほどの言葉を聴いた選手たちは、心を震わせ涙を流し、プレー開始直後からビッグプレーを連発したのです。
これが本当のスポーツマンシップであり、指導者がかける言葉なのではないでしょうか。
日大アメフト部の内田正人・前監督や井上奨・前コーチの供述を「虚偽」と認定した関東学生アメリカンフットボール連盟が5月29日に開いた記者会見で明らかにされた関係者の証言や、さまざまなメディアで報じられている情報などを総合する限り、内田前監督や井上前コーチが選手に投げかけていた言葉は、ペップトークとはまるで正反対だったのではないかと私は感じます。
ただ、これは日大アメフト部だけの問題ではなく、閉鎖的で前時代的な一部のスポーツ指導の現場では、選手の力を引き出すどころか逆に緊張や不安を高めてしまうことがまかり通っています。たとえば、少年野球の指導者が、「三振するな!」と選手に声をかけてしまうような場面はいまだによくあります。
実は「ミスをするな!」というマイナスの言葉を発すると、人は本来の持つ力を発揮することができません。これはビジネスにおけるリーダーの言葉がけも同じです。
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うらかみ だいすけ / Daisuke Urakami
魂に火をつける講演家。一般財団法人日本ペップトーク普及協会専務理事。一般社団法人日本朝礼協会理事。1969年東京都生まれ。北海道大学で運動生理学(健康体育科学修士)、理学療法学を学び、運動指導のスペシャリストとして、学校体育、リハビリ医療、高齢者介護の現場で活躍。StretchPole®の株式会社LPN 代表取締役、一般財団法人日本コアコンディショニング協会理事長を経て、ペップトークの第一人者岩﨑由純氏と一般財団法人日本ペップトーク普及協会を設立。人をやる気にさせるペップトークの講演・研修を企業、学校、医療・介護、行政、各種団体で行い全国を飛び回る。朝礼の第一人者大嶋啓介氏とともにオンライン朝礼コミュニティーを全国に展開中。オフィシャル公式ページはこちら。
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