日大アメフト部の指導者に欠けていた言葉

選手の緊張や不安を取り除くのが本分だ

そんな勇気を養っていくのが、監督やヘッドコーチの役割で、アメフトは選手を勇気ある人間に育て、チームとして勝利を手にするスポーツでもあります。ヘッドコーチは試合前のロッカールームで選手たちにひと言、声をかけます。そして、その言葉を聞いた選手たちは、感動で心を震わせフィールドに飛び出して行きます。

それをアメリカでは、「PEP TALK(ペップトーク)」と言います。

拙著『たった1分で相手をやる気にさせる話術 PEP TALK(ペップトーク)』に詳しく記していますが、ペップとは、もともと「元気、活気」という意味で、ペップトークは緊張や不安をやる気に変え、本来持つ力を最大限に引き出す話し方です。いまやアメリカでは、緊張感を解いたり、励ましたりするトーク術として、政治の場面から友人同士の会話にまで使われています。

受容→承認→行動→激励

このペップトークは、実にシンプルな構造で話が組み立てられています。

(1)受容(事実の受け入れ)     

(2)承認(とらえかた変換)

(3)行動(してほしい変換)

(4)激励(背中のひと押し)

具体例として、社会人日本一と学生日本一が真の日本一を決めるアメフト大会の「ライスボウル」の試合前のロッカールームで、監督が選手に投げかけたペップトークを紹介しましょう。

時は2009年、学生日本一になった立命館大学、立命館パンサーズが社会人日本一のパナソニック電工インパルスに挑みます。試合前、緊張して気持ちが高ぶるパンサーズの選手たちに、古橋由一郎監督は、こんなペップトークを展開します。

次ページ男には、人生をかけて戦わなければならないときがある
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 日本と中国「英語教育格差」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
銀行 地殻変動<br>先で待つ「不良債権地獄」の恐怖

コロナ危機を受け、銀行は政府の支援の下、積極的に「傘」を差し出し、融資をしています。しかし融資先には「危ない企業」も含まれ、下手をすれば不良債権によって屋台骨を揺るがしかねません。自ら大きく変わり始めた銀行の近未来を占います。