「喫煙する人は太っていない」は本当だった

45万人のデータ分析からわかったこと

すでに過去の研究において、一塩基遺伝子多型(SNP)として知られた遺伝的変異が肥満・喫煙の両方と関連付けられており、特定のSNPが、「常習行為」である過食・喫煙の両方に対する脆弱性を増加させることが示されている、と研究チームは指摘した。

しかし、喫煙が食欲を抑制することによって喫煙者は痩せているのか、さらには実際に喫煙者は痩せたままでいられるのか、については明らかにされていない。

肥満度が高い人ほど喫煙者である確率は減少

喫煙が食欲に及ぼす紛らわしい影響を避けることとして、研究チームは、参加者の実際の体重や他の体脂肪測定方法にのみ、注目したわけではない。研究チームは、参加者のスニップ(SNP、一塩基遺伝子多型)に基づき、予測される体の特徴について、遺伝子プロファイルを作成した。チームは、その後、実計測とこの遺伝子プロファイルの両方を使用し、各調査対象の喫煙履歴を解析した。

研究チームは、身長に対する体重の割合である肥満度指数(BMI)は、4.6kg/㎡増えるごとに、現在、喫煙者である確率が5%ずつ下がり、喫煙経験のない人と比べると、過去に喫煙したことがある確率が12%ずつ上がるという相関関係を発見した。BMI増加量は1日あたりの喫煙量1.75本から相関関係が強まることも示されている。つまり肥満度が高い人ほど喫煙者である確率は減るものの、過去に喫煙していた人の確率は上昇する、ということだ。

しかし、遺伝的体脂肪プロファイルを調べた際、研究者は、SNPに基づき推測したBMIの増加分よりも、現喫煙者である確率が24%上がること、また、以前、喫煙していた確率が18%上がることとの関連性を見つけ出した。

さらに、遺伝子プロファイルにより推測された胴回りの脂肪や体脂肪率の増加と、過去に喫煙したことのある確率や喫煙量の増加率には、同様の相関関係があった。

しかしながら、遺伝的体型と喫煙率との間に関連性はなかった。研究者は、こういった詳細情報等を踏まえ、依存行為への遺伝的体質ではなく、過剰な体脂肪自体がニコチンへの欲求に影響を与える可能性について示唆することとなった。

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