「泉北ライナー」乗車率アップへ次なる策は? 朝の列車は「ニュータウンの足」として定着

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泉北線と南海高野線を直通して泉北ニュータウンと難波を結ぶ「泉北ライナー」(写真:ゴスペル/PIXTA)

4月のある平日の朝、泉北高速鉄道(泉北線)の和泉中央駅から、6時37分発の特急「泉北ライナー62号」難波行きに乗車した。報道などで朝通勤時間帯の「泉北ライナー」の乗車率は好評と聞いていたものの、和泉中央駅出発時点での乗車率は1割強にすぎず若干不安を覚えた。

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だが、それはすぐに杞憂だと悟った。次の光明池駅で座席の半分が埋まり、栂・美木多(とが・みきた)駅で6割強、そして、泉北線内最後の停車駅である泉ケ丘で8割を超えた。

泉ケ丘駅を出ると、南海高野線・地下鉄御堂筋線と接続する中百舌鳥駅や特急「りんかん」「こうや」が停車する堺東駅などを通過して、南海本線の天下茶屋駅に停車する。和泉中央駅から25分、泉ケ丘からわずか16分だが、ここで乗客の1割が下車した。次の新今宮駅では2割が下車し、終点の難波駅まで乗り通したのは5割ほどであった。

好調の「泉北ライナー」

泉北ニュータウンから大阪中心部へ向かう通勤客などをメインターゲットに設定して、同ニュータウンのエリア内のすべての駅に停車していることが、「泉北ライナー」好調の大きな要因の一つになっている。

関西における有料座席へのニーズの希薄さや、和泉中央駅―難波駅間の営業キロが27.5kmと比較的短いことなどで、2015年12月5日の運行開始当初、ネット上では「泉北ライナー」に対する賛否は大きく割れていた。

関西の各路線の混雑率は関東と比べて総じて低いことや、そもそも関西人は「コストにシビア」(「オピニオン 産業春秋/プレミアムカーの魅力」『日刊工業新聞ウェブ版』2017年8月17日)という見方があることを見ても、関西では長年有料特急の運行が続けられてきた一部の路線を除いて、有料列車の運行が拡大しづらい環境にあったことは確かだ。

しかし、南海電気鉄道(南海電鉄)の遠北光彦社長は「岸和田駅から難波行き『サザン』の座席指定車を利用されるお客様が多いことを見ていたので、『泉北ライナー』も成功すると確信していた」と語る。

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