いわゆる「レッスン」を受けた訳ではないというので、どうしてだろうか。副支配人でシミュレーションゴルフでの練習会なども行っている岩瀬陽平氏は「普通のレッスンは知らない人から受けるのですが、こうしちゃダメ、となります。ここでは友達同士でこうすればいいんだよ、といったことを教えあっている。そのほうが伝わりやすいのだと思います。あとはインスタでプロなどのスイング動画を見て、自分の動画と比べたりしています」という。
ゴルフのハードルの1つ、おカネの面では、コンペでは女性のプレー料金を低く抑えている。参加しやすくする⇒同世代の友達を呼びやすい⇒友達の輪が広がる、という図式にもなっている。
岩瀬氏は「こうしたコミュニティが広がっていくのは、ゴルフがコミュニケーションツールになるからだと思います。仕事につながる、恋愛につながるというようになっていく」と、ゴルフ業界がゴルフの効用と考えているところを実感している。
リアルとネットを結びつけることがカギ
最近では「リアルゴルフ」と呼ばれているという実際のラウンドやシミュレーションゴルフと、若い世代が情報を得やすいSNSなどをうまく結びつける。ゴルフ業界が悩んでいる若い層のゴルファー発掘のヒントになりそうだ。
なにより、西野さんは経営者交流会を主宰する会社に勤め、岩瀬氏は地方創生にかかわる一般社団法人「ザ・スターティング・ポイント」を創設している。業界全体のゴルフ人口は減少しているが、ゴルフ業界の外の人たちによって女性や若年層のゴルファーは少しずつ増えているといえそうだ。
もう1つの例、男女の「出会いの場」をつくるところから発展して「ゴルフコミュニティ」を作ろうという人たちがいる。こちらもゴルフ業界の外の人だ。
インターネット上で「Rushゴルフ部」を主宰する後藤理恵さんに話を聞いてみた。母体は結婚相談所の最大手IBJで6万人が登録しているという。
「会社の1つの特色を出すということでゴルフを使い、7年ぐらい前から『婚活ゴルフ倶楽部』という独身者限定で、IBJ登録者以外でも自由に参加できるコンペを始めました」という。ホームページ(HP)や、LINE、SNSなどを利用して参加者を募集。2カ月に1回程度、9~10組ほどのコンペを開催している。
こちらは、若い世代に限らず、年代層は30~40代後半が多いという。コンペで交際が始まって結婚に至る例も多いそう。何回か参加して相手が見つからなかったときはIBJに導入するという、ゴルフから結婚へつながる流れを作った。
なぜゴルフを婚活に使ったのだろう。「私自身の体験からです。一度やめてから20年ぐらいして再開したのですが、ゴルフを通じての出会いや人脈づくりができたので」と自身がゴルフを好きだったことがいちばんの要因だったようだ。
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