日大は、どこで判断を間違えてしまったのか 大学全体のブランドまで毀損してしまった

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悪質な違反プレーについての行為自体は確定したとすると、あと問題になるのは「誰に責任があるのか?」という点です。前監督か、コーチか、加害選手しか責任がありうる人間はいませんから、これはどっちがババを引かされるかというだけの話なのです。

加害選手が15日、日大によりスケープゴートにされることを拒んだ時点で、彼は「自分は監督・コーチの具体的な指示によって違反プレーを行った」とディフェンスラインを敷きます。

実は本件は「関学VS日大」ではなく、「加害選手VS日大」という内戦の様相を呈してきていることになります。

こうなると、「あっちに責任がある」ということを加害選手・日大が押し付けあうことになります。加害選手のことをもっと考え、離反を防ぐことができていれば大学の言い分をある程度聞いてもらった上での口裏合わせもできたかもしれません。

加害選手と前監督・コーチが抱えたリスク

それでは22日の加害選手会見、23日の前監督・コーチの会見について簡単に比較してみましょう。

まずは「なぜ会見をしたのか?」です。加害選手の会見は、「自分は監督・コーチの具体的な指示によって違反プレーを行った」というディフェンスラインを守るためです。

特に刑事責任も考慮するなら、「(直接傷害を行っているけれど)自分には全く意思決定の自由がなかった」という点は極めて重要です。ただ、この点については敢えて本人会見という方法を取らずとも、文書などで足りたのではないかという指摘があります。

確かにどのような経緯であれ傷害行為を行い、精神的に追い詰められた若者を記者の前に放り出すのはリスキーです、彼の回答いかんではディフェンスラインが崩壊する危険もあるためです。

他方、前監督・コーチとしては会見をやる目的があるとするとまさに対立する「前監督・コーチには責任がない」という点です。しかしながら、このディフェンスラインは、残念ながら23日時点でもう防衛が難しい状況にありました。とすれば、この23日夜の会見はそもそも行うべきではなかったのではないかと考えてしまいます。

しかしながら、日大側は、本件について会見を行うことで、何らかの支持が得られる、理解が得られる、その結果、ディフェンスラインを維持しうるという目算があって会見を行ったことになります。

これがトドメとなる最後のディフェンスライン設定ミスです。

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